不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

土地

一等地の不動産のあり方

最近、鉄道や百貨店等で、本業ではない不動産賃貸に注力し、
その営業利益が好業績を牽引しているケースが見受けられます。
両者に共通しているのは、古くから一等地を所有している点です。
古くから所有しているということは、簿価が安いということであり、
それ故に、自社での事業展開に拘ったり、最有効利用があまり
検討されてこなかったような気がします。
しかし、ようやく、優良資産を最大限活用して、利益を上げるという
考え方が広がってきたようです。

ここでいう一等地は、高層建物建築が可能となる商業地です。
一等地を最有効利用しようとすれば、容積率をフルに活用した
より広い床面積の建物を建てることになりますが、
自社利用に拘ると、そこまで広い床面積は必要ないと判断する場合があります。
一方、自社の実需に関係なく、より広い床面積の建物を建てた場合、
収益性を無視して事業規模を拡大したという結果を招き、
景気低迷時等に大きな損失が生じることがあります。

つまり、古くから一等地を所有している会社が、その土地を
最有効利用(賃貸を除く)することは容易くないということです。
一等地であればあるほど、その土地の価値を引き上げるために、
最有効利用できる会社を冷静に判断する必要があり、
冷静に判断すればするほど、賃貸の割合が増加するものと考えております。

自社で事業を行えば、一等地であっても損失が発生することがあります。
しかし、一等地の不動産を賃貸する場合、安定した高収益が期待でき、
損失が発生する可能性は無いに等しいといえます。

今後も歴史のある会社を中心に、他業種から不動産賃貸業への
本格的な参入が増加するような気がします。

登記簿の土地の「地目」

前々回、登記簿の建物の「種類」について記載させていただきました。
そこで今回は、土地の「地目」について調べてみたいと思います。

まず、土地の「地目」とは、土地の種類のことです。

土地には様々な種類があり、田や畑、駐車場や山、住宅用地などがあります。

登記簿の土地の「地目」については、不動産登記規則により下記のように
定められています。

不動産登記規則第99条(地目)
  地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。

土地の「地目」は、上記23種類の中から定めるとされており、これ以外の地目はないことになります。
前回調べた建物の「種類」は用途に応じてある程度自由に定めることもできますので、
土地の建物についてはここに違いがあります。
(土地の場合、畑や田などに該当しない場合は、全て「雑種地」として定められます。
 分かりやすく言い換えると「その他」に該当するような地目ですので、建物と違い
 自由な種類を定める必要性がないと言えます。)

上記の23種類の用途をご覧いただくと分かるように、地目を見ればどのような
土地なのかが一見して判断できるようになっています。
唯一、「雑種地」はその他扱いなので、現地を見てみないと確認できませんが、
一般的には「駐車場」であることが多いようです。

不動産の取引の現場においては、「宅地」や「雑種地」、「田」や「畑」が多くの割合を占めますが
(私はこの4種類以外の土地の取引は経験がありません。)、それ以外にも地目の種類がありますので、
珍しい地目の登記簿を見られた場合、どのような用途の土地か、調べてみるのも面白いかもしれません。


所有者不明の土地による経済損失は6兆円!?

一般財団法人 国土計画協会の所有者不明土地問題研究会(以下「問題研究会」とします。)が、10月26日に、所有者不明の土地が今後どれだけ広がるか、また、その面積の将来推計と経済損失について公表しました。

この公表は、各紙の新聞やニュースなどで取り上げられましたので、知っている方も多いかと思います。

私が衝撃を受けたのは、“経済的損失が約6兆円(2017~2040年の累計)”になるということです。

普段より、空き地や、取引する土地の隣接地について登記簿を取得することが多くあります。登記簿には所有者の記載があるため、取引に関連する連絡をしたいときや、不動産を購入いただく方に隣接地の方をお知らせするためです。

しかし、登記簿に記載されている所有者は実際の所有者と異なることが多くあります。登記は第三者への対抗要件になりますので、売買の場合はほとんど登記をするのに、相続では登記をされない場合があります。それは、登記に強制力はないため、各々の判断で行われているからです。

なお、相続登記をしないまま相続を繰り返すと、所有者がネズミ算的に拡大し、全員と連絡を取ること、意見をまとめることが困難になります。このことも問題研究会は指摘しています。

このように、普段より、登記簿の所有者と真の所有者が異なる登記簿を数多く見るため、この公表の題目を見たときに、所有者が不明(分からない)の不動産は多いだろうというのは推測はできたものの、経済的損失までは思いつきませんでした。

経済的損失の項目と経済的損失は下記のとおり公表されました。
①探索コスト             約500億円
②手続きコスト           算出不可
③機会損失             約22,000億円
④災害発生時の潜在コスト    算出不可
⑤管理コスト             算出不可
⑥管理不行き届きによるコスト  約36,000億円
⑦税の滞納             約600億円    合計約6兆円

この中で、多くを占めるのが、機会損失と管理不行き届きによるコストです。

機会損失では、所有者不明の土地所有者と連絡が取れず、用地取得が遅れ、予定通りに事業が行われなかった場合などを想定しています。

管理不行き届きによるコストは、主に農地や森林などを想定しています。農地や森林が手入れさてていれば、農地では、洪水防止、土砂崩壊防止等、森林では、二酸化炭素吸収、表面浸食防止、洪水緩和等の機能が発揮されないことを想定しています。

問題研究会のアンケートによると、今後の相続でも30%近くの方が相続登記をされず、所有者不明土地は、ますます増加するようです。

バブル期と異なり、不動産神話は崩れ、不動産の価格は右肩上がりとはいきません。そのため、不動産に関する関心が薄くなったからか、相続しても利用しないこと、価値が低いということが、相続登記をしない理由かもしれません。

しかし、現状のように、登記を各々に任せていると今後も、登記簿の所有者と真の所有者が異なるなどの所有者不明土地が増え、経済的損失が減少することはありません。

公共事業の用地取得をする場合など、取得用地の所有者が登記簿の所有者と異なり、真の所有者と連絡がつかない場合は、失踪宣告の制度のように官報等で公表し、ある一定の期間が経過した場合には、対象地は国庫に帰属するなど、制度変更が必要だと感じました。

地名の由来と土地の歴史

先日、不動産の査定をいただきました場所の近くに、私の苗字と
同じ漢字の「瑞穂区大喜町」という地名を発見しました。

自分の苗字と同じ名前なので気になり調べてみたところ、
(真偽のほどは定かではありません。)この瑞穂区大喜町に「大喜城」という
お城があり、この瑞穂区大喜町が大喜姓の発祥地ではないか・・・とのことでした。

個人的には名古屋市内で自分と同じ姓の方にお会いしたことがありませんので、
調べた由来が真実かは分かりませんが、地名にはその場所の歴史が大きく関係していることが
あり、それを知ることも不動産を取り扱うものにとっての楽しみかもしれません。

今回のケースは苗字に繋がるものでしたが、他にも地形や土地の特徴から付けられた地名や、
その土地出身の偉人等の名前や歴史的なものなど、様々な由来があります。

清須市の地目の由来は、清い川(五条川)の流域に砂洲をもつ土地という説があり、この説に
基づけば地形が地名の由来となります。
また、「豊田市」は、もともとは「挙母市」でしたが、トヨタ自動車の発展に伴い、クルマ産業の
まちとしてのイメージ作り等の目的があり、市名変更された経緯があります。
また、私の地元の四日市市の市名は「四日の日に市が開かれていた」ことが由来との説が有力です。

ご自身が住んでいる町の由来を調べてみてはいかがでしょうか。

貴重な工場用地

 私どもが営業している愛知県では、今年の11月11日に日本発のジェット旅客機である
MRJが初飛行を遂げるなど、物づくりに関するホットなニュースが続いています。


 それにともない、当社には物づくりに関連した物流施設や工場用地等を探されているお客様からのご依頼が増えてきています。

 ただし、それらのご要望にこたえるには多くのハードルがあります。その中の一つに用途地域の問題があります。

 市街化区域の場合、12種類の用途地域が指定されていますが、工場の建設用地を探す場合、一定規模(作業場の床面積の合計が150㎡を超える)の工場が建築できるのは、準工業地域、工業地域、工業専用地域に限られるため、面積等の問題をクリアしたとしても広い地域から土地を探すことができません。

 また、準工業地域、工業地域では住宅の建築も可能であるため、工場が閉鎖され住宅が建築されている地域もあります。工場では物を加工するときや、機械が作動する際には、一定の音が発生するなどの問題があります。工場経営者は、近隣に迷惑をかけないように、近隣に住宅が建っている地域は避けますので、工場を建築できるのは、それらの用途地域内でも限られた地域になります。


 ご案内ができるだけの工場用地が市場にあれば。。。と思うこの頃です。

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