不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

戸建

いつまで続くウッドショック

ウッドショックに関するブログを、昨年5月に書いてからしばらく様子を見聞きして
いましたが、住宅業界においては、未だ収束の見通しが不透明な状況が続いていると
思われます。

「ウッドショック」とは、住宅用の構造木材の供給不足からくる、木材価格の高騰を
示す言葉です。

報道によると、根源となっていたアメリカ等の木材需要は落ち着き減少傾向となって
いるとのことですが、コンテナ不足による運賃の高騰が続き世界的な物流網の混乱は
続いており、ウッドショック前の水準に戻るには時間がかかる見通しとのことです。

この間、日本の住宅業界も建築価格を引き上げる対応を取っており、新築住宅購入希
望者にも影響を及ぼしています。
また、昨年12月には、大手住宅メーカーが、世界トップクラスの大規模な森林を所有
するロシアの企業を買収すると発表しました。
大規模な森林を保有し、良質な木材を安定的に調達することを目的とされていますが、
昨今の、ロシア経済制裁でどの様な影響がでてくるかは注目したいところです。

東海エリア(特に名古屋市内)の住宅用地には、住宅メーカー等による土地購入意欲は
旺盛ですが、動向については引き続き注視していきたいと思います。

中古住宅を見学する際のマナー

一戸建てやマンション問わず、中古住宅の見学やご検討、ご見学を
されたことはあるでしょうか。

中古住宅の場合、その不動産の所有者から不動産を直接購入することに
なりますが、その場合所有者は
①宅建業者
②個人もしくは宅建業者ではない法人
となります。

①のケースの場合、専門業者がその不動産を買い取り、リノベーションをしたうえで
販売しているので、建物内はきれいになっているケースの方が多いと思います。

逆に、②の場合は、室内のリフォームや清掃をしっかりしていることは少なく、
家具等を搬出したままの状態のことのほうが多いと思います。

よく、新築の住宅ばかりをご見学されている方や、今まで不動産を見たことがない方が
②の中古住宅をご見学された場合、「すごく汚い」とか「不具合が多いな」と感じるケースが
多いように感じます。

②のケースの場合は、築年数が経過していればしているほど、通常の居住用で利用されていたので、
室内はそこまできれいではないことの方が多いのですが、初めて中古住宅をご見学されると、
新築やご自身のイメージとの違いに戸惑われることが多いと考えられます。

しかしながら、所有者様が居住中であれば案内の際にいらっしゃいますし、またその所有者から
販売を委託された仲介業者が同席していることもあるため、そういった感想をそのまま
現地で言葉にされるのはお勧めできません。
所有者様やその仲介人である仲介業者が悪い感情的な感想を聞いて、良い思いをすることはないでしょうし、
その物件を検討される際にプラスに働くことはまずありません。

見学に行かれる際には、マイナスに思ったことについて質問されることは良いのですが、
中古住宅は「個人間取引」であることが多く、相手方もあることを意識してご見学されるほうが
良いと思います。
(売買物件とはいえ、「他の方の家」を見学に行く意識を持たれたほうが良いと思います。)

違法建築物と既存不適格

中古建物の売却のご依頼をいただき、査定のため現地で内覧をさせていただくと、
必ず「現状の法令(建ぺい率や容積率)に適合しているか」を確認させていただきます。

代表的なものは「建ぺい率」と「容積率」が、指定の数値内であるかを
見るのですが、これが超過していることもあります。

例えば、建ぺい率が60%のエリアなのに、敷地いっぱいに建物が建っており、
建ぺい率が超過している等、増築をしているとみられる状況です。

こういった、現状の法令に適合していない建物については、
「違法建築物」か、「既存不適格」か、どちらかになります。
共通しているのは、「現状の法令に適合していない」ことですが、
大きな違いは、「遵法性」になります。

「違法建築物」は、関係法令に適合しない建物であり、建築した当時から
違法状態であったものをいいます。

対して、「既存不適格」は、建築当時は法令に適合していたものが、法令の変更に伴い
現状の法令に適合していない建物のことです。
例えば、建築当時は高さの規制が無かったものが、景観を守る方向に方針が変わったことにより、
現在は高さの規制ができる等、規制は変わっていくので、「既存不適格」になることも
あります。

建物を購入する際に、銀行融資を受ける場合、金融機関から「遵法性」を確認されるため、
「既存不適格」であれば融資が受けられても、「違法建築物」では難しいことが多く、
この違いを把握しておくことが重要です。

「現状の法令に適合していない」場合、上記二つには大きな違いがあるため、
十分に確認されることをお勧めいたします。

東京から二時間あまりの街で土地つき一戸建てが10万円!?

 先日、NHKの「所さん!大変ですよ」という番組で『一軒10万円!? 超格安“土地つき一戸建て”の謎』というタイトルで超格安物件のことが取り上げられていました。

 番組の紹介には「東京から車で二時間あまりの街で土地つき一戸建てが信じられない超格安で売られている。中には10万円の物件も。なぜこんなに安いのか。そして購入者が抱える事情とは?」とあります。番組の概要は以下のとおりです。

  • 舞台は茨城県の鉾田市。海沿いにバブルのころに分譲された別荘地が多く存在する。
  • 今は昔からの住人も少なくなり荒れ果てている別荘も多い。
  • ある持主が固定資産税を払い続けるのであれば破格の値段で処分した方がいいと思い安値で売り出したら実際に売れた。それからどんどん安値で売り出されるようになり、中には10万円で売買される物件も。
  • 購入者は60歳以上の単身男性が多い。熟年離婚をし、東京では家賃を払い続けることができないというような経済的な理由で購入し移り住んだ人、親の介護を続け気づいたらいい歳になってしまい、これからは好きなことをしていきたいという理由で移り住んだ人、妻に先立たれ終活のために移り住んだ人など様々な事情を抱えている。

 所ジョージの出ているバラエティ的な番組なので、あまり深刻な作りにはなっていませんでしたが、それでも身につまされる思いでした。


 弊社でも、山奥の別荘の売却などに関する相談を受けることはあるのですが、対応が難しいことが多いのが実情です理由としては、買い手が想定しづらいということもありますが、物件価格が仮に数十万円の場合、宅建業者として求められる調査義務や説明責任を果たそうとすると業務として成り立たない可能性が高いからです。


 なお、番組で取り上げられた別荘はどうなのかは不明ですが、別荘地の場合、物件価格は安くても管理費や浄化槽などのランニングコストが意外とかかり月々の生活費に重くのしかかるケースもあるのではないでしょうか。また、別荘地同様、越後湯沢などのリゾートマンションも破格の値段で売り出されていることが多いですが、ランニングコストが高かったり管理費の滞納があったりするケースがありますので注意が必要です。

 私見ですが、今後の我が国の人口減少と財政難、特に地方自治体の財政の窮乏ぶりを考えると、将来なりふり構わない過疎地の切り捨てが行われることは想像に難くない気がします。となると、こういった別荘地は行政の手が行き届かなくなり(今もそれに近いのかもしれませんが)、孤独死などが頻発する可能性があると思います。一方、都市部においても、例えば老朽化したマンションなどが“ゴーストマンション”化し、破格の値段で売り出されることも増えるのでは、と考えています。

NHKホームページの番組案内
 http://www4.nhk.or.jp/taihentokoro/x/2015-10-15/21/14356/2121025/

NHKオンデマンド 有料ですがこの番組をご覧いただけます
 http://www4.nhk.or.jp/taihentokoro/7/

アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ