不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

法令

不動産取引時に電子書面での提供ができるようになりました!

2022年5月18日から、重要事項説明書、契約時締結書面、媒介契約時締結書面等の
電子書面による提供が可能となりました。

「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」において、押印
を求められた行政手続き・民間手続について、その押印を不要とするとともに、民
間手続きにおける書面交付等について電子書面により行うことを可能とする見直し
が行われてきました。
宅地建物取引業法関連においては、電子書面での提供の他に、宅地建物取引士の押
印が廃止される等が改定されました。

これまでも2021年3月30日から、不動産の売買取引に係る「オンラインによる重要
事項説明」(IT重説)の運用は開始されていましたが、IT重説を実施する際に、宅
地建物取引士が記名・押印済の重要事項説明書を事前にお客様へ郵送する必要があ
りました。
今回の改定により、書面への宅地建物取引士の押印が不要となり、電子書面(PDF等)
での提供ができるようになり、インターネット環境さえあれば自宅での対応も可能
なため「時間・費用コストの削減」や「日程調整しやすい」等の利便性が高まりま
す。
一方で、利用する端末(パソコン、テレビ、タブレット等)のカメラの解像度
や音声の質等について、一定以上の環境性能を持ったツールの導入や、セキュリテ
ィに関する対応等も必要となってきます。

IT重説等が認知され、一般的な普及には時間も要しますが、今後、お客様からの要
望や依頼に対して、速やかに対応できるよう態勢を整えていきたいと思います。

おとり広告

1月26日に首都圏不動産公正取引協議会より、「インターネット賃貸広告の一斉調査報告
(第10回)」及び「インターネット売買広告の一斉調査報告(第1回)」が公表されました。

賃貸広告では、同協議会のポータルサイト広告適正化部会の構成会社4社(㈱アットホーム、
㈱CHINTAI、㈱LIFULL、㈱リクルート)が運営する不動産情報サイトにおいて
2021年11月~12月に掲載されていた賃貸住宅の広告から、一定のロジックに基づき、契約
済の「おとり広告」の可能性が極めて高いと思料される401物件を抽出。これらの物件を掲
載していた業者30社を対象として調査。また、売買広告については、㈱CHINTAIを除
く3社において、2021年10月に掲載されていた売買物件の広告から、契約済の「おとり広告」
の可能性が極めて高いとされる232物件を抽出。これらの物件を掲載している事業者62社を
対象として調査を実施。

結果、賃貸広告は、401物件のうち47物件(11.7%)が「おとり広告」として認められ、事
業者別では、30社のうち13社(43.3%)に「おとり広告」が認められた。また、売買につい
ては、232物件のうち27物件(11.6%)が「おとり広告」と認定され、事業者別では、62社
のうち17社(27.4%)の広告が「おとり広告」と認められた。

「おとり広告」とは、顧客を集めたり、手もちの物件を売るために、売る意思のない条件の
よい客寄せ用の物件等の広告をいいます。
インターネット広告においては、成約済物件を広告の更新予定日を過ぎても削除せず、サイ
ト上に掲載し続けることも「おとり広告」とみなされます。
当然ですが、これらの行為は、宅地建物取引業法32条に違反し、不動産の表示に関する公正
競争規約21条で禁止されています。

賃貸、売買とも、「おとり広告」として違反が認められた事業者については、内容に応じて
一定の措置を講るとのことですが、このような行為は、われわれ宅地建物取引業者の信頼を
失いかねません。
「おとり広告」をしないために、情報登録日、直前の更新日、次回の更新予定日等を明確に
表示し、リアルタイムに成約状況を確認のうえ、適切に対処する必要性を改めて感じます。

宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン

先日、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定するため、
パブリックコメントの募集が開始されたとブログで記載させていただきました。
(その記事のブログ)

10月8日に国土交通省より、そのパブリックコメントを経て、正式にガイドラインが作成されたと
発表がありました。
内容としては、おおよそ案の通りですが、本ガイドラインで「告知義務無し」と定められた事項は
下記のようになります。

【告げなくてもよい場合】
①【賃貸借・売買取引】
取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。
※事案発覚からの経過期間の定めなし。
②【賃貸借取引】
取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した①以外の死や特殊清掃等が行われた①の死が発生し、事案発生(特殊清掃等が行われた場合は発覚)から
概ね3年間が経過した後
③【賃貸借・売買取引】
取引の対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した
①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死 ※事案発覚からの経過期間の定めなし 

今までは無かったガイドラインが策定されることで、告知するべき事項がある程度明確に
なりましたが、こういった心理的瑕疵は不動産を購入される方の購入検討に大きな影響を与えます。
「ガイドラインに無かったから言わない」ではなく、適切な情報提供を心掛ける必要があると考えます。
(ガイドラインに言及されていない、「土地上に過去あった建築物内の心理的瑕疵」や、
 事案発覚からの期限についてもこれからの整理が待たれます。)

国土交通省 「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」

アスベストが影響!?「解体更地渡し」の日程にゆとりを!!

建築から相当期間経過した建物が建っている土地については、契約から引渡しまでに建物を解体撤去する、「建物解体更地渡し」にて取引することが多くあります。

平均的な戸建住宅の解体撤去に係る工事期間については、おおよそ2週間前後で完了するものとして、売買契約から引渡しまでの日程を組むことが一般的です。

ところが、この日程について、少し余裕を持つことが必要になりました。
それは、「大気汚染防止法」が改正され、令和3年4月から施行となったことに影響されます。

この改正では、建物の解体工事等におけるアスベストの飛散を防止するため、対象の建物等に関する事前調査の結果報告が義務化され、アスベストの除去について隔離等を行わず作業をした場合の直接罰則が創設されました。

この法律におけるアスベストの事前調査は以下のとおり移行されていきます。
令和3年4月~ 建物解体工事等における事前調査が義務付けられました。
令和4年4月~ 一定規模(解体対象の建物の床面積80㎡以上など)の建物等について、アスベスト含有
       建材の有無にかかわらず、アスベストに関する事前調査結果を都道府県へ報告すること
       が義務付けられます。
令和5年10月~ 建築物石綿含有建材調査者など、必要な知識を有する者による事前調査の実施が義務
       付けられます。

上記のとおり、建物を解体する際にはアスベストの調査が義務付けられ、万が一対象建物にアスベストの使用が発見された場合には、アスベストが飛散しないように処置を施すことなどが必要になり、工事日程が延長することが考えられます。取引をスムーズに行う上では、建物建築時の図面を保管し、アスベストが利用されているかどうか早期に確認できるようにすることが必要です。また、売買契約書に記載する引渡日について、万が一アスベストが発見された場合のことも考え余裕を持つことも必要です。

不動産取引における緊急事態宣言の影響

昨日、全国都道府県を対象にした緊急事態宣言が発令されました。
ウィルスの感染を防ぐためには人の接触を避けることが一番であることを考えれば、
そもそも一部の都市だけ緊急事態宣言をしてもあまり効果はなかったと感じますし、
個人的には全国を対象にしたこの宣言は良かったのではないかと考えます。
(そもそも遅かったとは私も感じています。)
少しでも早くこの事態が収束するように、自分ができることを日々するしかないと
考えます。

不動産取引も、この宣言を受けて取引自体が少なくなっていますが、その中でも
様々な影響が出ています。

・不動産取引の停滞(先行きが全く不透明な状態での不動産取引に対する心配)
・各種登記事務の長期化(法務局が交代制による出勤の為、実働が半分程度の人員。)
・宅建協会等の窓口業務の一時休止

不動産業界に限った影響ではありませんが、大きく影響が出ています。
今はこういった影響を懸念する前に、拡大防止が一番だとは思いますが、
やはり経済活動への影響に直結していますので、心配にならざるを得ません。
一刻も早い沈静化に向けて、自分にできることを社会の一員として協力したいと思います。
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