不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

用語

不動産取引時における埋蔵文化財の影響

埋蔵文化財とは、土地に埋蔵されている文化財(主に遺跡といわれている場所)のことをいいます。

埋蔵文化財の存在が知られている土地を「周知の埋蔵文化財包蔵地」といいます。周知の埋蔵文化財包蔵地は全国で約46万カ所あり、毎年9千件程度の発掘調査が行われています。周知の埋蔵文化財包蔵地は、周囲に城や寺、古墳などがある場合に指定されていることが多いです。

さて、周知の埋蔵文化財包蔵地にある不動産を売買するときはひと手間かかります。

文化財保護法では、周知の埋蔵文化財包蔵地において土木工事などの開発事業を行う場合には、都道府県・政令指定都市等の教育委員会に事前の届出等(文化財保護法93・94条)をすることになっています。

土木工事等の開発事業の届出等があった場合、都道府県・政令指定都市等の教育委員会はその取り扱い方法を決めます。当方の事務所が所在する名古屋市では以下の4つの指示を受けることになります。
○発掘調査の実施(費用負担有。ただし個人が自宅を建てる場合は除く。)
○常時立会の実施(費用負担有)
○施工状況確認のための立会(費用負担無し)
○慎重工事(費用負担無し)

詳しくは、名古屋市のホームページで確認いただきたいのですが、工事の手続きに一定の期間が必要なことや、工事中に、遺構や遺物が確認された場合は、一時的に工事を中断し遺物の採集や写真撮影などを行なう必要があるなど、工事がスムーズに進まない可能性があります。

このように、周知の埋蔵文化財包蔵地で不動産の取引をする際は、引渡までの期間や費用などに注意が必要です。

アスベスト(石綿)の規制強化

2022年4月1日以降に建物の解体等工事に着手する場合、アスベスト(石綿)に関する
事前調査結果の報告が義務化されました。
改正大気汚染防止法により、これまでもアスベスト規制はありましたが、石綿含有成
形板等が追加規制となったことで、全ての石綿含有建材が規制の対象となりました。
また、そのための調査費用は、施主様が追加負担することになります。

アスベストとは、天然の鉱物繊維をいい、熱や摩擦に強いという特性から建材の他に、
自動車や電気製品等にも使用されてきましたが、発がん性等の有害性が問題となって、
現在は使用禁止になっています。

調査の結果、アスベストの使用が確認された場合、除去しなければなりませんが、
その除去は、解体業者ではなく専門業者でないと行えません。
故に、除去できる専門業者には、作業方針の決定や労働者の指揮、除去において必要
な装置類の点検等の責任者「石綿作業主任者」と、産業廃棄物の正しい後処理を行う
「特別管理産業廃棄物管理責任者」の資格者を置くことが義務付けられます。

アスベスト除去費用は、使用されている場所や量によって変動しますが、建物解体費
用の他に、数十万円から数百万円ほど追加でかかりますので、高額になると不安にな
る施主様もいるかと思います。
ただし、自治体によってはありますが、調査費用の全額、または上限を設けて補助す
る制度や、吹付けアスベスト等を除去、封じ込め、囲い込みの工事にかかる費用の一
部について補助する制度もありますので、一度、物件所在地の自治体に確認されてみ
るのもよいかもしれません。

越境物は建物だけではない!空を見上げて確認しましょう!

土地や建物の取引において、隣接地との境界を確定することや、お互いの構造物の越境関係を確認することは重要です。

区画整理地など、新しく開発された街並みでは、隣接地との境界がはっきりしているため、越境関係が生じている可能性は低いのですが、古くからある街並みでは、確定測量をして、お互いの境界が確定すると、雨樋や塀の一部が隣接地にはみ出していたり、隣接地からはみ出ていることが少なからずあります。

構造物が隣接地へはみ出していることや、隣接地からはみ出ていることを、不動産取引上「越境」といい、越境している構築物を「越境物」といいます。

越境物がある場合は、すぐに相手方に撤去を求めることはせず、再構築が必要になったときには、今回決まった境界を順守するとする、覚書を取り交わすことで、解決していくことが多いです。

越境物は、建物の一部や、塀などの構築物に多いですが、稀に敷地の上空に電線や支線が通過していることがあります。その場合は、電線等を所有している電力会社などへ、その電線や支線が通っている電柱に記載されている電柱番号を伝え、撤去を要請することになります。

電線等は、建物の上空を通過しているため見落としがちです。また、電力会社などに撤去を要請してもすぐに撤去してくれませんので注意が必要です。越境関係を確認する際は、建物だけではなく、空を見上げ、建物の上空を確認することが必要です。

不動産。あおること、確認することの違い。

6月22日の日本経済新聞に、増税前「あおり販売防ぐ」との見出しがありました。

記事は、2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げの際、増税後も価格が大して変わらないのに「今買わなければ損」などと消費者をあおる行為の防止策をめぐる議論が政府内で浮上しているというものでしたが、その記事内に、どんな行為を「あおり」と呼ぶのか今後の論点となりそうだと掲載されていました。

私が働いている不動産業界では、「あおり」という言葉は、長らく問題になっています。

“あおり と 不動産”を一緒にインターネットで検索すると、不動産業界の“あおり”の問題が多数出てきます。

不動産業界でいう“あおり”とは以下のような文言で、お客様を焦らすことを言います。
・今日決めないと、他の方が買ってしまいますよ。
・あとから見られるお客様が申し込むかもしれませんよ。

しかし、不動産は、唯一無二のものであり、買い逃したことを後悔されるお客様もいらっしゃるのも事実です。

以前買い逃したお客様で、「なんとか買えませんか」と訴えられるお客様もいらっしゃいました。

そのような経験があるため、物件のご紹介後には、さらっと「他の方で決まってしまう場合もありますので、その際はご了承ください。」と、確認のためお伝えします。

不動産は高い買い物になりますので、あおりを受けることなく、慎重に選んでいただければと思いますが、自分が良いと思ったものは、購入を決めるための決断をすることが必要だと思います。

M&Aに関連するDDに絡むERの調査に立会いました

タイトルだけ見るとなんのことだかわからないですね。

M&Aとは「Mergers(合併)andAcquisitions(買収)」の略で、2つ以上の企業が一つになったり(合併)、ある企業が別の企業を買ったりすること(買収)をいいます。M&Aというと新聞などで報じられるような大企業同士の派手な合併や買収といったイメージがありますが、中堅・中小企業においても経営者の高齢化に伴う後継者不足解決の手段として、また、事業の選択と集中、事業の再構築などを図る手段としてM&Aは活用されています。弊名南コンサルティングネットワークにおいても、名南M&Aという部門が存在しており、中堅・中小企業のお客様を対象にM&Aの支援業務を手掛けています。

次にDDとは、「Due Diligence(デュー・ディリジェンス)」の略で、Dueは「当然、行うべき~」、Diligenceは「努力、注意」を意味します。不動産投資やM&Aの世界では頻繁に用いられる用語で、M&Aの場合では、譲渡企業の決算書だけでは見えない簿外債務や将来発生しうる損害等のリスクを把握するために行われ、その範囲は「財務」「法務」「ビジネス」「人事」「環境」などに分類されます。

さらにERとは「Engineering Report(エンジニアリングレポート)」の略であり、不動産の物理的な調査として対象建築物の現状を調査したレポートであり、主として以下のような項目について調査が行われます。

  • 建物状況調査等

     建物現況調査
     遵法性調査
     
    修繕更新費用算定
     
    再調達価格算定

  • 建物環境リスク評価

  • 土壌汚染リスク調査

  • 地震リスク(PML)調査


  
筆者も不動産証券化に関連する業界に在籍していたときはよくERの調査に立会いました。ER会社の調査員たちは『打診棒』といわれる先が丸くなった棒を持って10数階建のビルの屋上の際の部分で怯まずコンコンと外壁を叩きます。タイルが浮いてないかを調べ、剥落するリスクがないかを確かめるためです。オフィスビルなどでは屋上には手すりがないため、転落しはしないかと立ち会っている我々の方がビクビクしていました。

 ただ、ERの取得については、投資家からお金を集めて不動産に投資するといった不動産証券化の世界では必須の手続きなのですが、1件あたりおよそ100万円以上の費用がかかることからM&Aの世界ではあまり頻繁に用いられることはないようです。

 今回、買収する方の社長様のご意向により被買収先が所有する不動産についてリスクを明確にしておきたいとのことでERを取得することになりました。調査結果が数字で詳らかになるERM&AにおけるDDでももっと用いられてもよいのかもしれません。

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