不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

小田

令和6年分都道府県庁所在都市の最高路線価

前回(各国税局内の最高路線価)とは少し違い、都道府県庁所在都市の最高路線価に関する内容です。

令和6年分都道府県庁所在都市の最高路線価の中で最も高額なのは、東京都中央区銀座5丁目の
銀座中央通りであり、1㎡あたりの路線価は44,240千円(坪単価約146,248千円)です。
当然ですが、日本で一番高額な路線価となります。
※県庁所在都市の最高路線価と県内の最高路線価が異なる県があります。
都道府県庁所在都市の最高路線価の上位は下記のとおりです。

1 東京都中央区銀座5丁目 銀座中央通り            44,240千円 変動率 3.6%
2 大阪市北区角田町 御堂筋                         20,240千円 変動率 5.4%
3 横浜市西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り    16,960千円 変動率 1.0%
4 名古屋市中村区名駅1丁目 名駅通り             12,880千円 変動率 0.6%
5 福岡市中央区天神2丁目 渡辺通り                         9,440千円 変動率 4.4%

1位の東京都と2位の大阪市の差(約2.18倍)は、2位の大阪市と5位の福岡市の差(約2.14倍)を
上回っており、東京都の地価の高さが突出していることがよく分かります。

ちなみに、都道府県庁所在都市の最高路線価の下位は下記のとおりであり、
地価の二極化を改めて実感してしまいます。
※最近、書店のない市町村が増えているようですが、不動産業者(宅地建物取引業者)が
 存在しない市町村が増えてくるような気がします。

47 鳥取市栄町 若桜街道通り                          94千円 変動率 ▲3.1%
46 秋田市中通2丁目 秋田駅前通り                   135千円 変動率  3.8%
46 前橋市本町2丁目 本町通り             135千円 変動率  3.8%
44 松江市朝日町 駅通り               140千円 変動率  0.0%
43 山口市小郡黄金町 山口阿知須宇部線通り      145千円 変動率  0.0%
※都道府県庁所在都市の最高路線価の対前年変動率がマイナスとなったのは鳥取市のみです。

令和6年地価公示発表

国土交通省は、3月26日に令和6年地価公示を発表しました。
その概要は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、
三大都市圏・地方圏ともに上昇が継続・拡大し、上昇基調を強めているとのことでした。
なお、個人的に気になった特徴的な結果は以下のとおりです。

最高価格 東京都中央区銀座4丁目2番4 55,700,000円/㎡(+3.5%)
     (山野楽器銀座本店)  (184,132,000円/坪)

上昇率 1位 熊本県菊池郡大津町大字大津字拾六番町屋敷1096番2外 77,000円/㎡(+33.2%)
全用途 2位 熊本県菊池郡菊陽町大字津久礼字石坂2343番2 95,500円/㎡(+30.8%)
    ※JASM(TSMCの子会社)による半導体の生産開始を見据え(令和6年2月生産開始)、
     多くの関連企業等が進出し、多岐にわたり土地需要が旺盛。
    4位 長野県北安曇郡白馬村大字北城字山越4093番2 22,400円/㎡(+30.2%)

上昇率 1位 北海道富良野市北の峰町4777番33 49,500円/㎡(+27.9%)
住宅地 ※白馬村と富良野市は、観光やリゾートを堪能できるエリアとして、外国人に人気であり、
     土地需要が旺盛。ともに「第二のニセコ」と呼ばれることも。

下落率 2位 石川県珠洲市上戸町北方弐字80番1 34,100円/㎡(△8.3%)
全用途 3位 石川県珠洲市飯田町弐九部12番 11,100円/㎡(△8.2%)
    ※地価調査は令和6年1月1日時点の地価であり、同日発生した能登半島地震の影響は考慮
     されておりません。

二極化(上昇・下落)が鮮明になる一方で、下落地域の中でも何かしらの特殊要因により需要が
急増し、一転して上昇率上位となる地点がある状況であり、下落地域については、地道な地域振興
活動が非常に重要であると実感しております。
※上昇率上位の中には、数年前まで毎年下落していた地点があります。

日経平均株価 最高値更新 不動産への影響は?

2024年2月22日、日経平均株価が3万9,098円となり、それまでの最高値であった
3万8,915円(1989年12月29日 大納会)を更新し、本日(3月1日)、
4万円の大台に迫る3万9,910円82銭で取引を終了し、終値として史上最高値を更新しました。

一方の不動産価格(公示価格)については、8年以上前の2016年1月1日時点で、
既にバブル期の最高価格を下記のとおり上回っており、実際には、
2015年中にバブル期を上回っていたものと解釈できます。

(公示価格)
1993年1月1日時点 最高価格 3,650万円/㎡
2016年1月1日時点 最高価格 4,010万円/㎡
2023年1月1日時点 最高価格 5,380万円/㎡

つまり、不動産価格のバブル期ピークは日経平均株価より遅く、
バブル期越えは日経平均株価より早かったことになります。
何となく、バブル期の象徴は不動産であったような気がしていましたが、
寧ろ、株価であったのかもしれません。

そこで、株価高騰が不動産価格に与える影響を考えてみました。

不動産投資:不動産より手軽な投資である株の投資妙味増加により、
      不動産投資検討者の減少が懸念されます。
      また、金利上昇よるマイナス影響も懸念されます。

不動産全般:株価高騰により、富裕層を中心に含み益が増加する人が増えるため、
      富裕層が好む不動産の価格については、プラス影響が期待できます。
      一方、株価高騰の恩恵を受けない人は少なくありませんので、
      そのような人が購入を検討されるような不動産の価格は、
      マイナス影響が懸念されます。
      ※株価高騰により、物価と金利が上昇する可能性があるため。

現在、金融資産を多く保有している人とそれほど保有していない人、
好立地の不動産を所有している人と所有していない人では、
所有資産の格差が日々広がっていることになります。
この株価高騰は、いつまで続くのでしょうか?
非常に難しい問題です。

名古屋でも転売物件が増えてきました

以前から、東京は不動産業者の転売物件が多かったですが、
近年、名古屋でも不動産業者の転売物件が増えてきました。
現在、名古屋では各種不動産の専門買取転売業者が多く存在しています。

○土地
○収益物件(賃貸マンション・アパート・ビル 等)
○分譲マンション
○中古戸建

最近では、購入した土地を区画割した後、建築条件なしで単純に
土地を販売する建売業者が出現し、最寄駅から徒歩圏内の売地に占める
転売物件の割合が増加傾向にあります。
※好立地の売地ほど、転売物件の割合が高い傾向にあります。

また、築後30年程度経過した分譲マンションの売物件に占める
転売物件の割合はかなり高いものと推測されます。
※分譲マンション・中古住宅は、リノベーションを含む改修工事実施後、
 販売されるケースが多いです。

不動産の売出価格は、近隣や類似不動産の成約・売出事例を参考にして
決定する場合が多いため、転売とそれ以外の物件の価格差は徐々に縮まってきます。
よって、現在の名古屋の不動産価格を牽引しているのは、転売物件と言っても
過言ではないかもしれません。

ちなみに、転売とそれ以外の物件の価格が同程度であれば、
転売物件を購入されることをお勧めします。
※転売物件は、購入者が不動産業者以外の場合、2年以上の契約不適合責任が付保されます。

2024年もどうぞ宜しくお願いいたします

新年明けましておめでとうございます
本年もどうぞ宜しくお願いいたします

私の独断と偏見ですが、2024年はオリンピック・パラリンピックと
選挙の年であると考えております。

1月   中華民国(台湾)総統選挙
2月   インドネシア大統領選挙
3月   ロシア大統領選挙
4~5月 インド総選挙
8月   パリオリンピック・パラリンピック
9月頃  自民党総裁選
11月  アメリカ大統領選挙

上記を見ると、激動・波乱の1年になりそうな予感がしますが、
皆様にとって、素敵な1年になりますよう、お祈り申し上げます。
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