不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

小田

買い負ける日本

円安進行後、“買い負ける”という言葉を耳にするようになりました。
“買い負ける”とは、価格等の条件が劣り、買おうとしたものが買えないことです。
海外産の品で買い負けることは仕方ないですが、最近は、円安の影響もあり、
国内産の品で買い負けることが増えているようです。
以前は、高級の果物が中国へ輸出されていましたが、元々輸出を想定した果物であり、
大きな影響はなかったように感じています。
しかし、最近では、円安の影響もあり、国内にて旺盛な消費需要がある鮮魚の仕入れで
買い負けるケースが増え、その対抗策として、高値仕入れを行っているため、
店頭等で販売される鮮魚の価格が高騰しています。
(ロシアのウクライナ侵攻の影響もありますが)
そして、鮮魚の価格高騰が、回転寿司チェーンの価格改定に繋がっていくのです。

買い負ける日本は、不動産売買も例外ではありません。
日本全国全ての不動産ではありませんが、都心の一等地の不動産については、
外資に買い負けるがケースが増えています。
最近、東京都心等の一等地の不動産は、入札により買主を決定するケースが多いですが、
入札に参加する過半が外資、落札するもの外資という事例が珍しくないようです。
上記のように入札となる不動産は、事業・投資を問わず、収益目的で購入されるため、
円安により期待できる収益も減少しますが、日本の金利が低いため、円安により外資の
購入意欲が高まっているのです。
(金利が低いため円安になっているのですが)
但し、不動産は消費物ではありませんので、今後の円相場の動き次第で、外資の国内不動産
買いの良否が変わってくる可能性があります。

皮肉なもので、現在、日本で起きている上記のことは、バブル崩壊前に日本が外国に対して
行っていたことです。

アパートとマンションの違い

今更の話ですが、アパートとマンションの違いがはっきりしません。
個人的に、木造はアパート、鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造は
マンションと考えていますが、前記は、ほとんどの方に共通した認識であると思います。
問題は鉄骨造です。
高層の重量鉄骨造は、迷わずマンションですが、少し前まで、大手ハウスメーカーを
象徴する構造であった軽量鉄骨造はアパートです。
最近、大手ハウスメーカーが注力している3~4階建の重量鉄骨造は、
マンションと判断する人が多いと思います(エレベータ有の場合が多いようです)。
ちなみに、エレベータ有の場合、マンションと判断する人が多いと思いますが、
無の場合でも、鉄筋コンクリート造であれば、マンションと判断されると思います。
話はそれますが、鉄骨造は、耐用年数の判定も難しいといえます。
先に登場した重量・軽量鉄骨造の違いは、骨格材の肉厚(厚み)で決定し、
一般的に、肉厚6㎜以上のものが重量鉄骨造と言われています。
耐用年数も骨格材の肉厚で判断しますが、以下の基準のため、軽量鉄骨造の判断が 
難しいといえます。

               住宅用  事務所用  店舗用  
骨格材肉厚 4㎜超        34年    38年         34年
      3㎜超~4㎜以下  27年    30年    27年
      3㎜以下              19年      22年    19年

正直なところ、設計図面が手元にあっても骨格材の肉厚を確認することは、
至難の業です。
今後、鉄骨造の中で重量鉄骨造の占める割合が増加すれば、アパートとマンションの違いと
耐用年数の判定が明確になってくるような気がします。

令和4年路線価

令和4年路線価

本日(7月1日)、国税庁は、令和4年分の路線価(1月1日時点)を公表しました。
主な概要は以下のとおりです。
〇全国の平均変動率は前年対比で0.5%のプラスとなり2年ぶりに上昇。
〇前年対比プラスは令和3年の7道県から令和4年は20都道府県に増加。

上記の概要をみると、都道府県の最高路線価は、平均以上に上昇しているような気がしますが、
少し様子が違います。

東京 平均変動率 1.1% 銀座中央通り △1.1%(42,240千円/㎡)
大阪 平均変動率 0.1% 御堂筋 △4.0%(18,960千円/㎡)
福岡 平均変動率 3.6% 渡辺通り 0.0%(8,800千円/㎡)
沖縄 平均変動率 1.6% 国際通り △0.7%(1,420千円/㎡)

新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、地価は下落に転じましたが、
それ以前から、各地域の最高価格エリアについては、高値の上限に近づいていたため、
他のエリアと比較すると回復が鈍いのだと勝手に解釈しています。

渋谷マルイ 建替えのため営業終了

5月27日に丸井グループのHPで渋谷マルイの建替えがニュースリリースされました。
ニュースリリースによると渋谷マルイは2022年8月28日(日)で営業を終了し、
建物解体後、2026年の開業に向けて、建替え工事を行う予定です。
建替えにより渋谷マルイは、構造の約60%に耐火木材などの木材を使用した日本初のサステナブルな
本格的な木造商業施設に生まれ変わるようです。
私にはそこまでの認識はなかったのですが、木は、製造過程でCO2を排出する鉄に比べ、
成長過程でC02を吸収するため、環境負荷をかけない素材といえ、鉄骨造で建替えた場合と比較して、
約2,000tのCO2排出量を削減できる見込みとのことです。
なお、開店後も再生可能エネルギー由来の電力を使用するなどして、環境負荷軽減を促進するようです。
今更ですが、近年、木造ビルを建築する会社が増加している理由がよく分かりました。
古い話ですが、渋谷マルイは、1980年代のDC(デザイナーズ&キャラクターズ)ブランドブームの
象徴であり、バーゲン初日には、その行列が宮下公園まで連なっていたように記憶しています。
その宮下公園は、2020年に商業施設(ミヤシタパーク)に生まれ変わり、時代の流れを感じます。
“丸井の赤いカード”が懐かしいです…

丸井グループHP https://www.0101maruigroup.co.jp/

キャッシュアウト・リファイナンス

キャッシュアウト・リファイナンスとは、住宅ローンの借換えを行う際に、
残債以上の融資を受け、現金を得ることです。
米国の住宅価格は、コロナ禍の影響なく、堅調に上昇しているため、
キャッシュアウト・リファイナンスが盛んに行われています。
キャッシュアウト・リファイナンスの活用により、個人消費が盛んになり、景気が良くなります。
景気が良くなると物価が上昇し、住宅価格も上昇します。
そして、資産形成のために住宅を取得する人が増え、その循環が続いていきます。
しかし、その循環に黄信号が灯っています。
急激な物価高騰(高インフレ)を抑制する目的でFRBが金融引き締めを開始したため、
住宅ローン金利が急上昇し、好調であった住宅販売に陰りが見え始めています。
今後、住宅販売が減少し、価格が下落に転じる事態に陥った場合、
リーマン・ショックの再来が懸念されます。
(当時と比較すると金融機関の財務基盤は健全と判断されていますが)

所変わって日本においても、都心の分譲マンション等、価格が上昇している住宅もありますが、
キャッシュアウト・リファイナンスのように、含み益を担保に融資を受け、
現金を得ることは困難であります。
よって、資産価格の上昇が物価の上昇に直結していないものと勝手に考えております。

米国と日本のどちらが良いかについては、投資が不可欠な米国と投資が不可欠ではない日本の
どちらが良いかの判断になるような気がします。
(最近の資源価格の高騰により、日本の物価も上昇していますが、世界的に見るとあまり
 価格転嫁されていないようです。)
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