不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

大喜

不動産広告の距離表示

不動産の広告をみると「○○駅から徒歩○分」と表示されており、
この表示で不動産の利便性を判断されている方も多いのではないでしょうか。

この「徒歩○分」という表記は、「不動産の公正競争規約」というルールに基づいて
表記されており、具体的なルールは下記のとおり統一されています。
○徒歩による所用時間は、道路距離80mにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。
○この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。

また、もう少し詳細なご説明をすると、
○距離は直線距離ではなく道路距離であること。(信号待ち等は考慮せず)
○駅までの距離は、「建物の入り口」から「駅のホーム入口」までの距離。
というルールがあります。
※令和4年9月1日より規約が改正され、従前は「敷地の出入り口」が起点でしたが、改正後は「建物の入り口」に変更されています。特に大規模マンション等になると、敷地入口から建物エントランスまでの距離があり、改正後はより具体的な分数が分かるようになりました。

上記のルールにしたがって表示されているため、実際に歩いた分数との違いは
出てくると思います。(信号待ちが考慮されていないことや、複数路線乗り入れが
ある駅だと、利用する路線によって分数が変わります。)

不動産を検討される際に、現地をよく確認することはもちろんのこと、
実際に駅まで歩いてみてどれくらいの時間がかかるかも
確認されることをお勧め致します。

既存不適格物件

土地に建築物を建築する際には、必ず法令による制限があります。
代表的なものは「都市計画法」と「建築基準法」ですが、この法令は
都度改正がされており、建物が建築された当時と、現在の法令が違うケースがあります。

例えば、建築基準法に定めれた「建蔽率(けんぺいりつ)」と「容積率」という制限があり、
名古屋市内の一般的なエリアですと
建蔽率 60%
容積率 200%
に定められています。(用途地域によっても変わります)

簡単に建蔽率と容積率の制限をご説明しますと、
建蔽率:敷地面積に対する建築面積の割合
容積率:敷地面積に対する延床面積の割合
となります。

例えば、敷地面積100㎡の土地で、上記の建蔽率・容積率の制限であれば、
建蔽率:60%なので、建築面積は60㎡まで
容積率:200%なので、延床面積は200㎡まで
となります。

しかしながら、容積率については、昭和46年に全国的に容積率の指定が施行されるまでは、
容積率の制限が課されていないエリアが多くありました。
したがって、昭和46年以前に建築された建物は容積率の制限を受けていない可能性があります。

現行法令の容積率を超過している場合、建築当時は適法に建築されたが、
法令が改正されたことにより現行法令を適していない建物を「既存不適格物件」と呼びます。
この「既存不適格物件」は、あくまで建築当時は適法であったため、「違法建築物」とは違い、
現況で利用する場合は問題になりません。
しかしながら、仮に建物を取り壊して建替えをする場合には、現在の法令に適した容積率に
する必要があることから、従前の建物と同規模の建築物が建築できないケースがあります。

上記は「既存不適格物件」における容積率についての例を記載しましたが、それ以外にも
法令は都度改正されているため、現行法令に適しているか確認することが重要です。
また、既存不適格物件を購入する場合、どの部分が「既存不適格」なのかを確認し、
建替えも含めて目的に合致しているか確認することが重要です。

法人所有の不動産と相続

自営業(法人)を行っていた方のご相続人様から、
「法人で所有している不動産は相続の対象になるのでしょうか」とご質問いただくことがあります。

確かに自営業の場合、法人=被相続人のイメージなので、
上記のようにお考えになられると思いますが、
ご回答としては「相続の対象にならない」となります。

相続の対象になるのは、被相続人の財産であり、被相続人が所有していた法人の株式は
相続の対象にはなりますが、法人の所有不動産は相続の対象にならず、相続人が自動的に
相続することはありません。また、法人の経営者としての取締役の地位も相続の対象にはなりません。
理由としては、取締役は法人との委任契約により法人を経営しているのであり、その委任契約は
受任者の死亡により自動的に終了してしまうためです。

したがって、
法人の株式 = 相続財産である
法人の所有物 = 相続財産ではない
取締役の地位 = 相続財産ではない(取締役の死亡により取締役不在となる)
となります。(取締役が1名であることを前提)

法人の所有する不動産の処分等は、取締役が判断して行う事項であり、
相続人が自由に意思決定することはできません。

法人を引き継ぎ、継続して事業をするのであれば特に問題がありませんが、
法人を解散することを考えている場合、上記のことも加味して検討する必要があると思います。






原野商法

最近、知り合いから「相続した土地の場所が分からないから調べてほしい」と
個人的に依頼を受けて調べてみました。

不動産の権利証と当時の地積測量図と思われる書類があったので、
それをもとに調べてみることにしました。
まずグーグルマップで調べると、おそらく山林の真ん中かなとは
分かったのですが、詳細な場所が分からず、公図とブルーマップを確認してみることにしました。

公図上では、きれいに区画割されて道路のようなものもあったのですが、
周辺の地番で探してもブルーマップを見ても場所が不明でしたので、
「もしかして原野商法で購入した物件なのでは。。。」と疑念を感じながら
調査を進めてみることにしました。

道路にも地番が付されていたので、役所の土木課にその地番の道路の場所を
確認したところ、確かに道路認定はされているが、現況は山の中ではないかとの回答を得て、
上記の疑念が確信に変わりました。

公図を見てみると、あたかもきれいな区画割がされていますが、実際の現地は
あたり一面山の中であり、そのような区画割はされていませんでした。
典型的な原野商法の手口であり、土地の分筆を行いその公図を見せることで、
あたかもきれいな別荘地であるように感じさせ、その土地を購入させる手法が横行していました。
今回の土地もそのような原野商法により購入した土地なのではと推測されます。

区画割されておらず、実際は山の中の一部であるため、この不動産を処分することは
非常に難しく悩ましいところです。

建物保護に関する法律

土地を有償で借りて建物を建築しているケースで、様々なご相談をいただくことがあります。
この場合、必ず「借地権」について考慮しなければいけませんが、
税務に携わる方や地主様、不動産業者以外の方であればあまり聞きなれない言葉かもしれません。

「借地権」とは、建物を建築するために、地主様に賃料(地代)を払って土地を借り利用する権利のことです。 そのため、建物を建築しない駐車場や資材置き場等は該当せず、借地権は発生しません。

上記のとおり、土地を借りて利用する権利であるため、その権利を第三者に対して主張するためには、借地借家法では下記の方法によるものと定められています。
①賃借権を登記する。
②借地上の建物を登記する。

上記①については地主様の承諾が必要なので、通常は②の建物登記を行うことにより、借地権を主張することになりますが、昔は①のみでしか借地権を主張する方法がなかったようです。

調べてみると、
①による借地権の主張は昔からあったようですが、その登記には地主様の承諾が必要であり、実際には借地権を登記できるケースが非常に少なく、第三者に対してその権利を主張できない状態でした。権利を主張できないということは、仮に地主が土地を転売した場合、新しい土地の所有者に対して借地権を主張できないことから、土地を明け渡す必要がでてきます。それを地主側が悪用し、地代値上げのために仮想的に土地を転売することが横行したため、地主の承諾を要しない②の方法が、明治42年に施行された建物保護に関する法律により定めれたとのことです。

その後も様々な改正を経て、現在の「借地借家法」になっていますが、そういった成り立ちを少し調べてみるのも面白いかもしれません。
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