不動産コンサルタントのつぶやき

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都市

名古屋駅周辺の変化

2023年3月末に、名古屋駅東口の地下街「メイチカ」が閉鎖し、商業ビル「レジャック」が閉館します。

「メイチカ」は、1957年に開業され喫茶店・和菓子店・ドラックストア等の店舗が営業していますが、リニア中央新幹線の開業に向けた地上の再整備に伴い、地下街の空調設備を更新する必要があるため閉鎖されるとのことです。

「レジャック」は、1972年に総合レジャービルとして開業し半世紀での閉館となります。ビルの老朽化やテナントとの契約期間満了により閉館するとのことですが、名鉄による再開発用地となっているため、このタイミングで閉館になったものと思われます。

「メイチカ」は、天井や床、設備の改修工事を行い2026年に再開される見通しで、名鉄が、「レジャック」跡地も含め新ビルをどの様にするか2024年目途に判断するとしています。

2022年には名古屋駅前の「飛翔」も撤去され、変わりゆく街並みに一時代の終わりを感じ寂しく思いますが、名古屋駅周辺の更なる発展を期待しながら待ちたいと思います。

名古屋駅前のシンボル「飛翔」の撤去が進む

名古屋駅前のシンボルであった「飛翔」というモニュメントの撤去が進んでいます。

解体当初は上部のみが切り取られ、しばらくそのままになっていたのですが、現在は鉄骨が組まれ、少しずつですが撤去が進められているようです。

「飛翔」が造られたのは名古屋市政100年であった1989年(平成元年)。そのころ行われた世界デザイン博覧会の開催に伴う名古屋駅前のロータリー交差点の整備の一環として行われたとのことです。地下鉄桜通線が開通したのもこのころのことです。

当時、私は高校生で、友人たちとデザイン博を観に行ったことや初めて桜通線に乗ったときのことは覚えているのですが、「飛翔」というモニュメントがあったかどうかはあまりよく覚えていません。

そのころの名古屋駅はセントラルタワーズが建つ前で、昭和チックな旧駅舎は健在でしたし、名古屋駅周辺で一番高い建物は、現在のJRゲートタワーが建つ場所にあった「名古屋ターミナルビル」(松坂屋名古屋駅店などが入居)でした。

その後、私は大学進学のために名古屋を離れましたが、その間、名古屋駅周辺は超高層ビルが建ち並ぶ街区となり、平成初期のころの街並みとは隔世の感があります。

そんな名古屋駅周辺の変化を見守った「飛翔」の撤去は、寂しくもありますが、次の時代の名古屋駅への進化の過程と捉えることができるのかもしれません。


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栄に超高層複合ビルが誕生

錦三丁目で、7月から三菱地所など5社が手掛ける超高層複合ビル(地上41階建・
高さ約211m)の新築工事が始まります。

高級ホテル・オフィス・シネコン・高級商業施設で構成されますが、この建物が
愛知県と名古屋市が連携し支援している高級ホテル誘致の案件となり、高級ホテ
ル立地促進補助金(合計20億円)の補助事業に認定されています。
ホテルは、ヒルトン系のラグジュアリーホテル「コンラッドホテル」が名古屋に
初進出します。
「ラグジュアリー」とは、ホテル用語でデラックスより上、スイートより下にラ
ンクされた部屋タイプを意味するとのことです。
高級ホテルが進出することで、都市計画制度も大きく見直されており、宿泊施設
(事業認定を受けた高級ホテル)整備分の2倍の容積率も緩和されます。

今回の補助制度は、「ハイレベルな国際会議の開催」「海外富裕層旅行者等の誘
致」することで都市ブランド力向上を目指すものです。
成果が見られるまでに時間はかかりますが、完成(2026年夏頃)すれば、2023年
7月末完成予定の中日ビル(地上33階・高さ約158m)と併せ、新たなランドマー
クの誕生となり、栄エリアが活況していく動向も注目していきたいと思います。

塗り替わる【商業】地図

名古屋市西区と春日井市で大型商業施設の開業が相次ぎます。

1027日(水)、名古屋市西区にオープンするのは「イオンモールNagoya Noritake Garden」です。本施設は、名古屋駅から北に1kmほどいった西区則武新町のノリタケカンパニーリミテドの本社工場跡地に三菱地所などが手掛ける大規模マンションと一体として再開発されたものです。名古屋市西区には既に「mozoワンダーシティ」がありますし、そのほかにも名古屋市内には「イオンモールナゴヤドーム前」「イオンモール熱田」「イオンモール新瑞橋」「イオンモール名古屋茶屋」「イオンモール大高」など、他の大都市と比べてイオンモールが多くありますが、「イオンモールNagoya Noritake Garden」は名古屋駅に近い立地を活かし、イオンモールとしては初の試みとして広大なフロア面積を誇るオフィスが併設されるほか、名古屋駅周辺のシネコンと競合を避けるためか、シネコンの代わりにコニカミノルタが運営するプラネタリウムが出店します。

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また、1022日(金)、春日井市に「イーアス春日井」がオープンしました。「イーアス」はダイワハウス工業が運営する複合型ショッピングセンターで、同社は茨城県つくば市や東京都八王子市、沖縄県豊見城市などで同名の施設を展開しています。「イーアス春日井」は、西友が運営していた「ザ・モール春日井」の跡地を大和ハウス工業が取得し、新たに商業施設を建設したもので、西友がテナントとして入居し24時間営業のスーパーを運営するとともに全国最大規模を誇る「無印良品」が出店しています。

この「イーアス春日井」からさほど遠くない名古屋市守山区には7月に会員制スーパーの「コストコ守山倉庫店」が開業、一時は周辺が大渋滞となるなど、高い顧客誘因力を発揮し盛業中です。

一方、百貨店の業態では愛知県内でも撤退が相次いでおり、直近では930日に名鉄豊田市駅前にある「松坂屋豊田店」が閉店しました。20208月にはイオンモール岡崎に入っていた「西武岡崎店」が、同年3月には豊橋駅前で営業を続けていた「ほの国百貨店」が閉店しており、愛知県の三河地方からは百貨店が消えるかたちとなりました。

車社会である愛知県では、自動車と親和性の高い、大型の駐車場を設置した大型ショッピングモールが伸長する一方、百貨店業態では、名古屋市外の店舗が軒並み閉店し、県内で名古屋市外にある百貨店は一宮市の名鉄百貨店一宮店のみとなってしまいました。

長引くデフレや所得が伸びないことによる人々の消費行動の変容など様々な要因が考えられますが、栄枯盛衰を感じざるを得ない、新規出店と閉店のニュースでした。

関連投稿 新しい【商業】地図2020.9.19

新しい【商業】地図

9月18日、名古屋市中区栄の久屋大通公園北エリアに新しい商業施設「RAYARD Hisaya-odori Park」がオープンしました。同施設は南北約1Kmにわたる公園を整備・改修するとともに各種店舗施設を設置し、公園とあわせて運営・維持管理を行うPark-PFI制度を用いたプロジェクトで三井不動産が手掛けています。

“RAYARD”というのは造語であり、三井不動産のウェブサイトによると「『様々なヒト・モノ・コトが交わり、それらが複層的に交わることで新しい価値が生まれる場所』という想いを込め、“層・重なり”という意味の『LAYER』に、『RAY(光)+YARD(庭)』=光の当たる庭という意味を重ねて」いるとのことです。第1号物件として東京・渋谷駅近くの宮下公園に「RAYARD MIYASHITA PARK」が7月28日にオープンしており「RAYARD Hisaya-odori Park」は第2号施設となります。また、同日には耐震化改修を終え、高級ホテルや結婚式場、レストランなどを誘致した名古屋テレビ塔もリニューアルオープンしています。

9月14日には同じく三井不動産が手掛ける「ららぽーと愛知東郷」がオープンしており、東海地方に対する三井不動産の攻勢ぶりが伺えます。

2010年代中盤に名駅地区で相次いで再開発による超高層ビルの建設が相次ぎ商業集積が高まった一方、栄地区についてはこれといった再開発がなく、やや停滞感がありました。しかし、栄地区には名駅地区にはない平面的な回遊性を有しています。それが今回の「RAYARD Hisaya-odori Park」やリニューアルしたテレビ塔の開業により、新たに見直されることになるのではないでしょうか。また、ビルの超高層化も進み、新中日ビル(2024年・高さ170メートル)や栄広場の再開発(2026年・高さ200メートル)などインパクトのある計画が目白押しです。平面的な回遊性と超高層化による商業集積の高まりにより2020年代は栄地区がどこまで巻き返しを図れるか期待したいと思います。

また、大型ショッピングモールについてもここ数年でセブン&アイ・ホールディングスによる「プライムツリー赤池」、三井不動産による「ららぽーと名古屋みなとアクルス」や先に触れた「ららぽーと愛知東郷」など、旧来イオンモール一色であった東海地方における大型ショッピングモールの商業地図にいろどりを与えています。

塗り替わった新しい商業地図、週末の楽しみが増えたという方も多いのではないでしょうか。

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