不動産コンサルタントのつぶやき

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都市

札幌と名古屋の街並みは似ている?

ここ2、3年、出張で札幌を訪れることが多くなっています。北海道は昔から好きな旅行先であり、北海道に行くということは非日常的なワクワク感があったのですが、札幌に頻繁に行くようになると札幌自体は筆者の住む名古屋と変わらないような大都市ですし、そもそも仕事で行くのでワクワク感はありません。それでも札幌の街は名古屋にはない雰囲気を纏っているように感じられ、何回訪れても魅力が尽きることはありません。

そんな札幌ですが、名古屋と似ているところがあります。それは両都市の街並みです。

もちろん街全体ではなく、ある特定の場所です。両都市を訪れたことがある方はおわかりかもしれません。大きな通りの真ん中にテレビ塔が建っている風景です。札幌は大通公園にさっぽろテレビ塔が、名古屋は久屋大通公園に名古屋テレビ塔がそれぞれ建っています。

通り自体の歴史は札幌の方が古く、その始まりは明治初期の開拓時代まで遡るそうです。一方、名古屋は戦後復興の都市計画において設けられたもので、両者とも延焼を防ぐための「火防線」として作られたという同様の経緯を持ちます。テレビ塔については、名古屋が少し先で1954年(昭和29年)6月に日本初の集約電波塔として完成、札幌はその3年後の1957(昭和32年)に完成しています。設計者はいずれも内藤多仲という人で、二代目通天閣や東京タワーもこの人に手によります。

さて、このように同じような街並みを持つ両都市、個人的な印象になりますが、札幌の大通の方が人々に愛されている感がより強いような気がしています。なぜだかはわかりませんが、市民も観光客も当たり前のようにそこにいて馴染んでいる、という感じがそのように思わすのかもしれません。

ただ、名古屋も負けてはいません。現在、久屋大通の北エリア・テレビ塔エリアにおいて三井不動産グループによるPark-PFI方式を導入した再整備が実施されており2020年には供用が開始される予定です。同時期にテレビ塔もリニューアルされ電波塔内としては世界的にも珍しいホテルも設置される予定とのことです。

 札幌でも大通公園自体を東へ延ばすという計画があるようですし、両都市を代表するシンボリックな街並みはこれからも発展を遂げていくことになりそうです。

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都市の魅力と水辺の景観

名古屋市が昨年9月に公表した「都市ブランドイメージ調査」によると、全国主要8都市中「もっとも魅力に欠ける都市」に名古屋市が2回連続で選ばれました。この調査によると名古屋市を魅力的に感じると答えた人が3.5%であるのに対して、魅力に欠けると答えた人の割合が31.9%と調査対象となった8都市の中で最も魅力に乏しい都市とみられています。

それでは、名古屋はなぜここまで魅力がない街と思われているのでしょうか。思い当たるところとしては、さしたる観光資源がない、人々が閉鎖的で井の中の蛙的な人が多い、というところでしょうが、個人的には街並みが平板でつまらないということも名古屋を魅力がない街にしている一因だと考えています。特に街中に水辺やウォーターフロントがないという点が致命的であるように思われます。今回の調査で「行ってみたい」都市で最上位となった札幌も街中に水辺がありませんが、札幌の場合は観光都市というブランドイメージが確固たるものになっているのでさしたる問題にならないのかもしれません。2位以下の都市についてみると2位の京都は四条河原町あたりの鴨川や木屋町通りと高瀬川といった景観がパッと浮かびますし、3位の横浜はみなとみらいの岸壁と横浜ランドマークタワーを始めとした超高層ビル群、4位の東京区部はレインボーブリッジやお台場、5位の神戸は海に浮かぶ人工都市であるポートアイランドや六甲アイランド、6位の福岡は中州あたりの川辺の屋台、7位の大阪は道頓堀と派手なネオン看板や川辺に建つ中央公会堂など、いずれの都市も水辺とともにある都市景観というものが人々のイメージに刻み込まれているのではないでしょうか。

一方、名古屋にはこれといって水辺の景観が思い浮かびません。一応、街の真ん中を堀川という川が流れていますが、水量の関係でどぶ川の状態であり、そりゃ街のど真ん中をどぶ川が流れているような街に魅力なんてあるわけがないよな、となってしまいます。

そんな水辺に乏しい名古屋ですが、個人的に注目しているのが中川運河です。中川運河は名古屋港と旧国鉄の笹島貨物駅との水上輸送路として昭和初期に完成し昭和30年代頃まで頻繁に船が行き来していたそうです。その笹島貨物駅は既になく、現在では「ささしまライブ24」としてホテルや事務所が入る超高層ビルや大学、放送局や大型賃貸マンションなどが建ち並ぶ複合的な街に生まれ変わっています。このささしまライブ24の南側に中川運河の堀止があり、名古屋には珍しい親水空間となっています。現在は区画整理中で殺風景な空間ですが、都心部にある親水空間ということでこれを活かさない手はないと思います。

既に名古屋市が「中川運河再生計画」を策定し、ゾーニングにより各ゾーンの特性を踏まえた街づくりを進めることになっており、この堀止から南側の長良橋、東側の堀川との松重閘門までは「にぎわいゾーン」として位置づけられており、「ささしまライブ24 地区の開発と連携し、緑地・プロムナードの設置や、沿岸用地へのカフェ、レストラン等にぎわい施設の誘導、水上交通の運航などを展開して、運河の魅力と回遊性を高めるとともに、運河の歴史や文化・芸術を楽しむ市民活動の継続的な実施を通じ、都心地域に集まる人びとが訪れたくなるような『港と文化を感じる都心のオアシス』の形成」をめざすとしています。また、堀止の東側の市有地について、民間事業者のノウハウやアイディアを活用しようとサウンディング型の市場調査が実施されています。

名古屋市の市有地である「栄広場」について隣接地の所有者である大丸松坂屋グループと共同で再開発事業者を募るなど、名古屋市も民間事業者と共同で事業を行い街の魅力を高めていこうという姿勢が鮮明になっています。名古屋では貴重な親水空間である中川運河での取り組みは、果たして名古屋の魅力向上に資することになるのでしょうか。

◆ 参考URL

       名古屋市:平成30年度都市ブランド・イメージ調査を実施しました
        名古屋市:中川運河について

        名古屋市:中川運河堀止東側市有地の活用に係るサウンディング型市場調査について

第二の故郷

進学等の関係から、10代中ごろから20代中ごろまで
広島市に居住し働いていました。
その影響もあり、野球に関しては名古屋に来てからも広島カープを
応援しつづけています。

その広島カープが、先日球団初の三連覇を達成したこともあり、
非常に嬉しく思っています。
具体的な三連覇までの足取りまで書いてしまうと、ただの野球好きのブログに
なりますので詳細は割愛させていただきますが、広島カープの記事などを見ると
当時の記憶を思い出すことが多くあります。

両親が転勤族だったので、あまり長く住んだ場所がなく、
一番長く住んだ場所は広島市かもしれません。
住宅を検討する場合には、勤務先も勿論ですが、「地縁」も大切にして
選ぶことが多いと思います。そういった意味では、地元で勤務して、地縁のある場所で
住宅を考えることができるお客様を見ると羨ましくも感じます。

現在は名古屋市に勤務し、近い将来広島で働くことはおそらくないと思いますので、
広島市に住む可能性は限りなく低いと思います。名古屋近辺での生活も長く、
既に広島に住んでいたころよりも居住期間は長いのですが、やはり故郷と呼べる場所は
若いころに住んでいた場所なのかなと感じます。(名古屋は生活もしやすいので好きですし、
嫌いなわけではありません。)

広島カープの優勝をお祝いしながら、何かきっかけがあれば旅行などで広島に
行きたいなと感じています。


地名の由来(外国編)

サッカーW杯が盛り上がっています。
大会が始まる前は、監督解任や強化試合での敗戦等、
ほとんど期待をしておらず、個人的に3戦全敗を予想していましたが、
始まってみると戦前の予想を覆す結果となっています。
やはり始まると、日本代表が気になって試合を見て、
盛り上がって応援しています。

明日のポーランド戦の開催地は「ヴォルゴグラード」とのことですが、
ロシアの地名には「〇〇〇グラード」という地名が多いなと感じています。
気になって調べてみたところ、「グラード」とは「Grad」、「城・都市」を表す
言葉だそうです。
ヴォルゴグラードの場合、「ヴォルガの街」との意味だそうです。

また、これは調べてみて初めて知ったのですが、「ヴォルゴグラード」の旧地名は
「スターリングラード」だったとのことで、こちらの地名は有名で、第二世界大戦において
激戦が繰り広げられた場所です。
1961年に現在の地名であるヴォルゴグラードに変更されたとのことですので、
市名変更は最近のことのようです。

歴史で学ぶような地名が変更されると、変更後の地名からはその場所が
想像しにくくなることは、日本においても平成の大合併でも同じような
ことがあったなと、調べてみて感じています。

地名には歴史があり、地名変更によってそのイメージが無くなることが
あります。その歴史が良いか悪いかもありますので、一概に地名変更の良しあしを
論じることはできませんが、調べてみると面白い発見があるなと感じています。

札幌時計台と超高層ビル

tokeidai 今週は、札幌出張でした。出張の際、毎回立ち寄る北海道不動産鑑定士協会は札幌の有名な観光スポットである時計台の近くにあるので、鑑定士協会での調べ物を終えた後、時計台を眺めながら次の調査場所である札幌市役所へ向かうというのが毎回の定番となっています。

 その札幌時計台ですが、少し前にネットなどで話題になったトピックがあります。時計台の背後に巨大なビルが建設されたため、訪れる観光客の間で困惑が広がっているというものです。

 札幌時計台は、正式名称を「旧札幌農学校演武場」といい北海道大学の発祥の地でもあります。ただ、街中にある高さ20m程度の比較的小さな建物であるが故、周りに建ち並ぶ高層ビルに埋もれるように建っていることから、高知のはりまや橋や長崎のオランダ坂などと並んで「がっかり観光スポット」だとよくいわれてきました。

 その背後に巨大なビルが建ったものですから、「がっかり度アップ」などとひどい言われようです。ちなみにこの巨大ビルは「さっぽろ創世スクエア」といい、地上28階数・地下5階建(高さ124m)の超高層ビルで、2300席の劇場や図書館からなる市民交流プラザや北海道テレビ放送(HTB・テレビ朝日系列)、朝日新聞社などが入居する予定とのことです。

 歴史を刻む重要文化財と札幌の街の新しい顔。個人的には悪くないコントラストだと思うのですが、どうなのでしょうか。
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