9月17日、平成27年の地価調査(7月1日時点)が発表されました。東京、大阪、名古屋の三大都市圏では商業地の地価の上昇傾向が際立ち、特に名古屋では再開発が進む名古屋駅周辺での地価の上昇傾向が著しく、名古屋駅近くの大通りを少し奥に入った調査地点(「中村5-9」)の上昇率が45.7%、同駅西口の調査地点の上昇率が36.0%となり上昇率の全国1、2位を占めました。三大都市以外でも札仙広福といった地方中核都市にも地価の上昇傾向が波及しています。
商業地の地価に関し、個人的に注目したいことがあります。それは、東京以外の三大都市圏である大阪、名古屋とも1平方メートルあたり1,000万円を超える調査地点が出現したことです。まず大阪ですが、北区梅田地区の調査地点である「グランフロント大阪」が1平方メートルあたり1,100万円となりました。この調査地点は地価公示(1月1日)時点と共通の調査地点であり、梅田北ヤードの開発に合わせて平成25年の地価公示から調査地点となりました。平成25年1月当時が1平方メートルあたり847万円でしたので、2年半で約30%上昇したことになります。次に名古屋ですが、中村区名駅地区の調査地点である「名古屋ビル」が1平方メートルあたり1,020万円となり、こちらも1,000万円の大台を超えました。なお、この調査地点は地価公示との共通の調査地点ではなく、地価公示では「名古屋近鉄ビル」が名古屋の最高価格地点となっており、今年1月1日時点では1平方メートルあたり835万円でした。
平成24年の地価調査では、名古屋の最高価格地点である「名古屋ビル」(1平方メートルあたり760万円)が当時の大阪の最高価格地点であった「大阪第一生命ビル」(1平方メートルあたり755万円)を抜き、「名古屋の地価が大阪を抜いた」と騒がれましたが、その後「グランフロント大阪」に調査地点が設けられ大阪の最高価格地点が再び名古屋の最高価格地点を上回る状況が続いています。ただし、今回の地価調査の結果を見てもわかるように、その差は詰まってきている感があります。
再開発が一段落しましたが、インバウンド消費が好調な大阪と再開発が真っ盛りの名古屋。今後、両都市の商業地の地価がどう推移していくか。非常に興味深いところではあります。