不動産コンサルタントのつぶやき

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テレビ塔

新しい【商業】地図

9月18日、名古屋市中区栄の久屋大通公園北エリアに新しい商業施設「RAYARD Hisaya-odori Park」がオープンしました。同施設は南北約1Kmにわたる公園を整備・改修するとともに各種店舗施設を設置し、公園とあわせて運営・維持管理を行うPark-PFI制度を用いたプロジェクトで三井不動産が手掛けています。

“RAYARD”というのは造語であり、三井不動産のウェブサイトによると「『様々なヒト・モノ・コトが交わり、それらが複層的に交わることで新しい価値が生まれる場所』という想いを込め、“層・重なり”という意味の『LAYER』に、『RAY(光)+YARD(庭)』=光の当たる庭という意味を重ねて」いるとのことです。第1号物件として東京・渋谷駅近くの宮下公園に「RAYARD MIYASHITA PARK」が7月28日にオープンしており「RAYARD Hisaya-odori Park」は第2号施設となります。また、同日には耐震化改修を終え、高級ホテルや結婚式場、レストランなどを誘致した名古屋テレビ塔もリニューアルオープンしています。

9月14日には同じく三井不動産が手掛ける「ららぽーと愛知東郷」がオープンしており、東海地方に対する三井不動産の攻勢ぶりが伺えます。

2010年代中盤に名駅地区で相次いで再開発による超高層ビルの建設が相次ぎ商業集積が高まった一方、栄地区についてはこれといった再開発がなく、やや停滞感がありました。しかし、栄地区には名駅地区にはない平面的な回遊性を有しています。それが今回の「RAYARD Hisaya-odori Park」やリニューアルしたテレビ塔の開業により、新たに見直されることになるのではないでしょうか。また、ビルの超高層化も進み、新中日ビル(2024年・高さ170メートル)や栄広場の再開発(2026年・高さ200メートル)などインパクトのある計画が目白押しです。平面的な回遊性と超高層化による商業集積の高まりにより2020年代は栄地区がどこまで巻き返しを図れるか期待したいと思います。

また、大型ショッピングモールについてもここ数年でセブン&アイ・ホールディングスによる「プライムツリー赤池」、三井不動産による「ららぽーと名古屋みなとアクルス」や先に触れた「ららぽーと愛知東郷」など、旧来イオンモール一色であった東海地方における大型ショッピングモールの商業地図にいろどりを与えています。

塗り替わった新しい商業地図、週末の楽しみが増えたという方も多いのではないでしょうか。

札幌と名古屋の街並みは似ている?

ここ2、3年、出張で札幌を訪れることが多くなっています。北海道は昔から好きな旅行先であり、北海道に行くということは非日常的なワクワク感があったのですが、札幌に頻繁に行くようになると札幌自体は筆者の住む名古屋と変わらないような大都市ですし、そもそも仕事で行くのでワクワク感はありません。それでも札幌の街は名古屋にはない雰囲気を纏っているように感じられ、何回訪れても魅力が尽きることはありません。

そんな札幌ですが、名古屋と似ているところがあります。それは両都市の街並みです。

もちろん街全体ではなく、ある特定の場所です。両都市を訪れたことがある方はおわかりかもしれません。大きな通りの真ん中にテレビ塔が建っている風景です。札幌は大通公園にさっぽろテレビ塔が、名古屋は久屋大通公園に名古屋テレビ塔がそれぞれ建っています。

通り自体の歴史は札幌の方が古く、その始まりは明治初期の開拓時代まで遡るそうです。一方、名古屋は戦後復興の都市計画において設けられたもので、両者とも延焼を防ぐための「火防線」として作られたという同様の経緯を持ちます。テレビ塔については、名古屋が少し先で1954年(昭和29年)6月に日本初の集約電波塔として完成、札幌はその3年後の1957(昭和32年)に完成しています。設計者はいずれも内藤多仲という人で、二代目通天閣や東京タワーもこの人に手によります。

さて、このように同じような街並みを持つ両都市、個人的な印象になりますが、札幌の大通の方が人々に愛されている感がより強いような気がしています。なぜだかはわかりませんが、市民も観光客も当たり前のようにそこにいて馴染んでいる、という感じがそのように思わすのかもしれません。

ただ、名古屋も負けてはいません。現在、久屋大通の北エリア・テレビ塔エリアにおいて三井不動産グループによるPark-PFI方式を導入した再整備が実施されており2020年には供用が開始される予定です。同時期にテレビ塔もリニューアルされ電波塔内としては世界的にも珍しいホテルも設置される予定とのことです。

 札幌でも大通公園自体を東へ延ばすという計画があるようですし、両都市を代表するシンボリックな街並みはこれからも発展を遂げていくことになりそうです。

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