不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

マンション

コンパクトシティ政策と住宅着工数

国の政策でコンパクトシティ化が進められていることは皆さんご存知かと思います。

国土交通省のHPにて(コンパクトシティ化のための)立地適正化計画作成の取組状況が公表されており( http://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_fr_000051.html )、
立地適正化計画の作成について具体的な取組を行っている都市は309団体、各都市における立地適正化計画作成の主な取り組みを行っているのは103団体となります。

コンパクトシティとは、人口の急激な減少と高齢化を背景として、
高齢者や子育て世代にとって、安心できる健康で快適な生活環境を実現することを目的に、
医療・福祉施設、商業施設や住居等をまとまって立地させることなどをいいます。

今後人口が減っていくことは周知されており、既にその影響が出ています。
国は今後のことを考えて、コンパクトシティなどの対応を取っていると思います。

しかしながら、平成29年1月31日に国土交通省は「建築着工統計調査報告」にて、
建築着工数について、持家、貸家及び分譲住宅が増加し、全体の住宅着工数が増加となったと公表しました。特に目立つのが、貸家の建築着工数です。なんと前年比10.5%の増加だそうです。貸家の増加は5年連続で、5年前と比べると31.4%増加しています。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020102.do?_toGL08020102_&tclassID=000001011994&cycleCode=7&requestSender=search

人口減少に対応した政策が取られているのに、人口増加のような貸家の建設ラッシュ。
住宅需要があるところに建設が集中しているのであればよいのですが、住宅需要がなさそうな交通の利便が悪いところでも、アパートなどが建設されているのが気にかかります。
貸家の建設ラッシュには、相続税率が引き上げられたことにより、相続対策として建築された方など、いろいろな要因はあるかとは思いますが、空家の増加も公表されており、貸家を建設された方の今後の貸家経営が成り立つのか心配になります。

マンションの駐車場 ~0 円~ はお得なのか?

私が5年前に購入したマンション。当時の売り文句は「駐車場0円」というものでした。
駐車場0円について、マンション購入当時は、月々の出費が抑えられ、助かるな思っていましたが、
管理組合の理事長となった今、その考えは変わりました。

私が考える問題は、本来貯まるはずの修繕積立金が貯まらないことと、
空き駐車場が増え、駐車場が活用されなくなるという問題です。
管理会社より、月々支払う修繕積立金を増額しないと、
将来の修繕費用が足りなくなると言われていますので、
早い段階で、このミスマッチを解消したいところです。

さて、駐車場を使用する人にとって、駐車場使用料を負担と考えるのはあたりまえのことです。
しかし、駐車場使用料は、第三者の利益になるのではなく、駐車場運営のために利用され、
余った部分は、マンションの修繕積立金として蓄えられます。
駐車場使用料は、支払った人に間接的に還元されるのです。

現在私のマンションでは、屋根がついている等一部有料区画もありますが、
ほとんどの区画が、駐車場使用料0円です。

私のマンションは、駐車場を解約しても、再度車を所有するなどした場合、
いつでも、1区画の駐車場を契約できる権利が保証されています。
にもかかわらず、駐車場使用料が0円のため、車を持たない居住者でも、駐車場を解約しません。

ですので、自分自身の負担も増えますが、駐車場を有料にすることが必要だと感じています。
駐車場を有料とすれば、マンションの収入が増えるため、
将来の修繕積立金の値上げを抑えることができると思っています。

また、車を持たない居住者にとっては負担が増すため、駐車場は解約されると思います。
私のマンションでは、車を2台所有されて、敷地外に駐車場を契約している方も多くいらっしゃいます。
敷地内に車を駐車できることを考えれば、その方たちにもメリットは大きいかと思います。

修繕積立金を支払うのも、駐車場使用料を支払うのも、将来の修繕費用を貯めるという意味で同じです。
修繕積立金の値上げを考えるくらいなら、駐車場使用料0円を改善したいと思っています。

管理組合の理事長として、マンションの管理について思うこと。

今年度、私の住んでいるマンションにて、管理組合の理事長に就任しました。
管理組合の理事の仕事は、昨年度の町内会長に引き続き2年目です。

私のマンションでは年に1回、総会が開かれ、
1年間、管理組合で実施した修繕の履歴や、引き起こった問題に対して、
どのように対処したかなどを、管理組合の理事から、
管理組合の皆様(区分所有者)へ報告し、質疑応答などをします。


その総会などで、いつも不思議に思うことがあります。
それは、理事や管理会社の担当者へ、いろいろな問題を提示し、
“どのように解決してくれるんですか!”と詰め寄る人がいることです。


理事には、担い手がおらず、抽選で決まった人もいます。
詰め寄る人も、将来自分が理事になる可能性があります。


また、提示された問題に対して理事会の判断で解決策を決めることもできますが、
あまりに大きな問題は、管理組合の決議により決めなければならないこともあります。


そもそもマンションを購入すると、区分所有者の資格を取得します。
区分所有者は全ての区分所有者にて、マンションの管理組合を形成します。
管理組合はマンションの資産を維持保全するために、
区分所有者全員で、いろいろな問題を解決しなければなりませんので、
特定の人が、権力をもっていたり、物事を決めたりできる訳ではないのです。


理事長の仕事を任される貴重な1年となりますので、
区分所有者の皆様に、管理組合は区分所有者全員で運営されていることを知ってもらえる
1年にしたいと思っています。

中古住宅の購入は、見栄えで判断しないほうがいい!?

売却依頼を受けた、ある中古マンション。
販売価格は市場価格より低いのに売れません。

このマンションは築20年経過しています。
売主様は、住み始めて20年間、リフォームを何もしていないため、
失礼ながら汚れが目立ち、見栄えはいいものではありません。

そのため、売主様と相談の上、リフォーム費用を差し引いた価格で販売を始めました。
販売価格が市場価格より低いためか、多くの問い合わせをお受けします。

ただし、室内の内覧をしていただくと、
見栄えが影響し、なかなか売却するにはいたりません。

販売価格は、不動産の買取り転売業者より、
価格交渉できれば買取りたいと打診されている価格です。
※不動産買取り転売業者は利益を出さなければなりませんので、
 価格交渉されるのは、リフォーム費用だけではありません。

この仕事をしていて、見栄えを重視されるお客様が多いことを感じます。
中古の住宅は実際に生活されているものですので、築年数が経過しており
汚れが目立つ場合もあります。

リフォームされていない中古住宅の購入に二の足を踏むのは、
“リフォーム費用がどれくらい必要なのか?”という不安面を
払拭できないからだと思われますが、そのような方は、
リフォームについて見積もりをされることをお勧めします。

結果、想像以上にリフォーム費用がかかるケースはあまりないのではと思います。
また、類似したリフォーム済みの中古住宅と比べ、販売の価格差ほど、
リフォーム代金がかからないケースが多いのではないかと思います。

また、リフォーム部分のお支払いについてですが、
リフォーム部分についても融資可能な金融機関もありますので、
融資に頼るのもよいかと思います。

中古住宅選びは、立地や広さなど、“リフォームでは変更できない部分”で
判断されることをお勧めします。

分譲マンション、犬を飼育するときの注意点(まとめ編)

これまでの2回で、マンションで犬を飼うために、犬種選びが必要なことや、
飼育する上で、ルールがあることをお伝えしてきました。
3回目はシリーズ最終回ということで、マンションで犬を飼育するための注意事項をまとめてみました。


①犬を飼育したいと思ったときは、現在お住まい(もしくは購入を検討している)マンションで、
 犬の飼育ができるかどうかの確認が必要です。
 マンションのルールブックである管理規約を調べることや、管理員や管理会社等へ確認します。


②飼育できる場所や、共用スペースでの扱い方など、マンションの飼育ルールを遵守する必要があります。


③犬の飼育が可能でも、犬種や大きさ、頭数等に決まりがありますので、
 内容を確認の上、犬種を選ぶ必要があります。
 また、犬種選びには、抜け毛の量や運動量など、犬種それぞれの特徴を把握する必要があります。
 きちんと面倒を看られる犬種選びが必要です。


④犬を飼育する上で、トイレ等、最低限必要になる「しつけ」を行うことが必要です。
 しつけには、苦労することも多く、忍耐が必要です。


⑤日々の餌代のほか、毎年のワクチンや狂犬病の予防接種、フィラリアの薬剤投与等の費用も必要です。
 また、動物保険の加入や、病気のときの治療費など、思っている以上に金銭の負担が大きいかもしれません。


 一般社団法人ペットフード協会によると、2014年の全世帯に対する犬の飼育率は約15%となっています。
この数字は、戸建の世帯も含まれていますので、マンションにおける犬の飼育率は半分程度かもしれません。
私の住んでいるマンションは、全体で約160世帯ありますが、犬を飼育している世帯は5世帯もありません。
犬の飼育可能なマンションは多くなってきていますが、飼育している世帯は思っている以上に少ないかもしれません。
そのため、犬の泣き声等、犬を飼育していない世帯からは理解を得られない可能性もあります。

お伝えした注意事項を確認いただき、他の居住者に迷惑を掛けないように注意しながら、楽しい飼育生活を送っていただきたいと思います。


一般社団法人ペットフード協会 http://www.petfood.or.jp/data/

先回までのブログはこちら↓



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