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 先日、ある飲み会に参加しました。飲み放題の1次会で程よく酔っ払ったご一行。もう一軒行こうとなるのは自然の流れです。ただ、誰も気の利いた2次会の店を知っているでもなく、路上でたむろしていると学生風の客引き(キャッチ)がすぐに寄ってきて居酒屋の案内を始めます。個人的には、キャッチに案内されるお店は…な感じのものが多く、我々がお店に支払う飲食費のうちいくばくかが彼らにキックバックされることを知っているのでついていくことはないのですが、このときは誰かがキャッチに促されるままに連れていかれたので私もついていくことにしました。

 で、案内された居酒屋というのが、ある意味感動的なものでした。「完全個室居酒屋」と銘打っているものの、ホームセンターで買ってきたような板張りのような内装で間仕切られているだけで、上部に目を向けると天井はスケルトン状態で空調機や火災報知機はむき出しのまま(オシャレなカフェのように敢えてそのようにしているのではないということが丸わかり)で、まるでどこかの詰所の中で飲んでいるかのような気分に浸ることができました。

 ただ、2次会ということもあり、食べ物や飲み物に美味しさを求めるわけではなく、ましてやお店の雰囲気というものを気にするわけでもなく、酔っ払って同行者とワイワイやる分にはまあ問題はありません。なお、支払いについては偉いさんにお任せしたので金額が高いのか安いのかはわかりません。ちなみにそのお店は最近建てられたと思しき飲食ビルの2階に入居しており、敢えてチープな内装にすることにより初期投資を抑え、キャッチを総動員することにより、何も考えていない酔っ払いたち(特に団体客)を連れ込み回転させる、というビジネスモデルなのかな、と酔っ払ったアタマで考えていました。

 最近、名駅地区では、特に桜通の北側の名駅3丁目エリアにおいて飲食店が国際センター方面に向けて増殖していっているような印象を受けます。その分、飲食店間の競合も激しくなっており、これといった特徴のない店はキャッチを使って自店に客を呼び込もうとします。一方、キャッチはキャッチで歩合制であることから客を案内すればするほど自身の取り分が増えるため、学生を中心に割のいいバイトとして認識されているようです。ただ、客としてはキャッチから声を掛けられること自体煩わしいですし、連れて行かれた店が残念だった場合の喪失感も半端ありません。また、キャッチを使わず健全に営業している飲食店から客を奪うような行為も行われており問題となっているようです。

 名古屋市ではこれまでこういったキャッチ行為を直接規制する条例はありませんでしたが、去る4月1日に「名古屋市客引き行為等の禁止等に関する条例」が施行されました(但し、強制力を伴う規定が施行されるのは10月1日から)。個人的には、飲食店はキャッチなどに頼るのではなく、あくまで味やお店の雰囲気で客を引き込むべきだと思っています。そういった意味では、こういった条例の施行は歓迎すべきであると考えます。

  名古屋市HP 「名古屋市客引き行為等の禁止等に関する条例を制定しました(平成30年4月1日施行)」