不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

土地

土地に何か埋まっていると、処分費が大変なことになる!

先日、当方の仲介で土地の売買契約を締結しました。

その土地は、売主様が、先代より引継ぎ、長年月極駐車場として利用されていました。そのため、アスファルトをはつり、更地の状態で買主様に引渡しをすることが売買の条件でした。

売買契約後に、専門業者にアスファルトをはつってもらい、その後、土地全体の地面を50㎝ほど掘り起こし、土の中に何か埋まっていないかを確認してもらいました。

土の中の確認は、不動産の売買契約に記載されている売主の瑕疵担保責任に関係があります。

瑕疵とは、売主も買主も把握できないもので、土地の売買を例にすると、土の中に埋まっている、解体した建物の建材や、瓦、家庭ごみ、井戸などが考えられます。※瑕疵には、心理的な瑕疵などもあり、なかなか一言で説明することはできません。

瑕疵は、土地の引渡後に分かることもありますが、引渡後に分かると、その後の買主様の建物建築のスケジュールなどにも影響がでるため、仲介者としては、事前に把握しておきたいところです。

さて、本件土地の土の中ですが、昔の焼けた建物建材、瓦、食器、燃えた布、ヘルメットなどが大量に埋まっていました。また、燃えた形跡のある土壌も多く見つかりました。専門業者いわく、戦争の時に建物が焼失したものをそのまま埋めたのではないかということでした。

土の中に、建物建材など、大きなものであれば取り除くのは簡単です。しかし、瓦や食器などの細かい破片になると、全てを機械で取り除くのは難しくなります。その時はどうするかというと、土の入れ替えになります。

細かい瓦などが入った土については、産業廃棄物として処理することになります。その処理費用は、長年不動産業をしている当方も目が飛び出るぐらい高いです。

今回の土地は、戦時中に焼けた建物をそのまま埋めたのではないかと考えられ、当時の状況を考えると仕方がないかと思いますが、土地にゴミを埋めたりすることは、その土地の価値を下げることに繋がります。安易にごみを捨てないよう(捨てさせないよう)注意が必要です。

所有者不明の土地による経済損失は6兆円!?

一般財団法人 国土計画協会の所有者不明土地問題研究会(以下「問題研究会」とします。)が、10月26日に、所有者不明の土地が今後どれだけ広がるか、また、その面積の将来推計と経済損失について公表しました。

この公表は、各紙の新聞やニュースなどで取り上げられましたので、知っている方も多いかと思います。

私が衝撃を受けたのは、“経済的損失が約6兆円(2017~2040年の累計)”になるということです。

普段より、空き地や、取引する土地の隣接地について登記簿を取得することが多くあります。登記簿には所有者の記載があるため、取引に関連する連絡をしたいときや、不動産を購入いただく方に隣接地の方をお知らせするためです。

しかし、登記簿に記載されている所有者は実際の所有者と異なることが多くあります。登記は第三者への対抗要件になりますので、売買の場合はほとんど登記をするのに、相続では登記をされない場合があります。それは、登記に強制力はないため、各々の判断で行われているからです。

なお、相続登記をしないまま相続を繰り返すと、所有者がネズミ算的に拡大し、全員と連絡を取ること、意見をまとめることが困難になります。このことも問題研究会は指摘しています。

このように、普段より、登記簿の所有者と真の所有者が異なる登記簿を数多く見るため、この公表の題目を見たときに、所有者が不明(分からない)の不動産は多いだろうというのは推測はできたものの、経済的損失までは思いつきませんでした。

経済的損失の項目と経済的損失は下記のとおり公表されました。
①探索コスト             約500億円
②手続きコスト           算出不可
③機会損失             約22,000億円
④災害発生時の潜在コスト    算出不可
⑤管理コスト             算出不可
⑥管理不行き届きによるコスト  約36,000億円
⑦税の滞納             約600億円    合計約6兆円

この中で、多くを占めるのが、機会損失と管理不行き届きによるコストです。

機会損失では、所有者不明の土地所有者と連絡が取れず、用地取得が遅れ、予定通りに事業が行われなかった場合などを想定しています。

管理不行き届きによるコストは、主に農地や森林などを想定しています。農地や森林が手入れさてていれば、農地では、洪水防止、土砂崩壊防止等、森林では、二酸化炭素吸収、表面浸食防止、洪水緩和等の機能が発揮されないことを想定しています。

問題研究会のアンケートによると、今後の相続でも30%近くの方が相続登記をされず、所有者不明土地は、ますます増加するようです。

バブル期と異なり、不動産神話は崩れ、不動産の価格は右肩上がりとはいきません。そのため、不動産に関する関心が薄くなったからか、相続しても利用しないこと、価値が低いということが、相続登記をしない理由かもしれません。

しかし、現状のように、登記を各々に任せていると今後も、登記簿の所有者と真の所有者が異なるなどの所有者不明土地が増え、経済的損失が減少することはありません。

公共事業の用地取得をする場合など、取得用地の所有者が登記簿の所有者と異なり、真の所有者と連絡がつかない場合は、失踪宣告の制度のように官報等で公表し、ある一定の期間が経過した場合には、対象地は国庫に帰属するなど、制度変更が必要だと感じました。

不動産業者にも専門分野がある!?

郊外の車の通行が多い、大通沿いの土地に、
相続税対策なのか、賃貸マンションを建築している現場を見ることがあります。
鉄道の駅も遠く、住宅の需要も弱い地域です。

そんな、大通り沿いにある賃貸マンションを見ると、
賃貸経営はうまくいくのか?空室が増えないか心配になります。

コンビニや飲食店などの出店を考えられている企業や、
開業を考えられているドクターなどは、大通り沿いの土地を探していますので、
そのような方たちに、土地を紹介されたのか気になってしまいます。

一般の方の中には、不動産業者はすべての不動産に精通していると思っているかもしれませんが、
実際は、不動産売買を専門にする業者、不動産賃貸を専門にする業者、
賃貸マンション建築を専門にする業者、テナント誘致を専門にする業者
など、不動産業者は多種多様です。

専門分野以外の相談には乗らない業者は意外と多いかもしれません。

例えば、賃貸マンション建築を専門にする業者にとって、
その土地に賃貸マンションを建ててもらわなければ、収益の機会を失うことになります。
そのため、お客様には、賃貸マンション建築についてはメリットを伝え、
その他の借地などの提案についてはデメリットを伝えるかもしれません。

土地の活用にミスマッチが起きないように、
相談相手を間違えないように気を付けなければなりません。

市街化調整区域内の価値ある土地“既存宅地”とは

市街化調整区域(以下「調整区域」といいます。)は、“市街化を抑制する区域”であり、都市の郊外で田畑が広がっているような地域です。農林漁業を営む人の住宅など、限られた建物しか建築できず、土地の価格は廉価、もしくは取引が成立しないことも珍しくありません。

そのため、不動産仲介業をしていると、「土地を売りたい」という、テンションの上がるご依頼でも、「“調整区域”の土地を売りたい」となると、「売却ができる土地だろうか」と不安が混じるものになります。

しかし、調整区域の土地が、全て廉価な価格でしか売買できないということはありません。

不動産業者もテンションの上がる土地があります。その代表的なものが、不動産業者の間で、“既存宅地”と呼ばれる土地です。


調整区域は大昔からある地域ではなく、制度の変更によって創られた地域です。そのため、調整区域に指定される以前より宅地であった土地には、建物が建築しやすいという制度があるのです。

調整区域として指定された年月日や、制度については地域により違いますので、詳しくは該当する土地に所在する行政機関に尋ねて頂きたいのですが、私どもが不動産仲介業をしている愛知県の場合では、調整区域が指定されたのは昭和45年11月24日、制度としては愛知県の開発審査会基準17号に該当していれば建物が建築できます。

開発審査会基準17号のいう既存の宅地とは、“市街化調整区域に関する都市計画が決定され、又は当該都市計画を変更してその区域が拡張された際、すでに宅地であった土地で、現在まで継続して宅地であるもののうち、おおむね50戸以上の建築物が(おおむね50mの距離をもって)連たんしている土地”とあります。

調整区域の土地についてご相談を受けた場合は、まず、その土地について、法務局で、登記事項証明書を取得し、調整区域が指定された際の地目や、住宅地図等で該当の土地の周辺を確認します。調査の結果、開発審査会基準17号のいう既存の宅地であれば、廉価ではない価格で取引できる可能性が広がります。

このように、調整区域内の土地については、“既存宅地”に該当するかということが、不動産取引において重要な部分を占めます。

隣接地と一緒に土地を販売したら“相場以上”で売却できました!

先日、土地売却の仲介に入った物件ですが、
隣接地と一緒に売却することで、相場の29%増しの価格で
契約に結びつけることができました。

私が仲介して売却したAさんの土地は、北側の道路に接道しており、
南側隣接地には低層ですがマンションが建っている関係で、日当たりに問題がありました。
また、戸建を立てようとする人が求める土地に比べると若干広いため、総額が高くなり、
予算範囲を超えてしまうことが考えられ、購入検討者が少なくなることが予想されました。


そのような事情や、周辺の売買事例等を調べ、
私が売主Aさんへ提示した査定額は3,100万円(仮)でした。


売却活動を開始しようとした際、Aさんから「隣接地所有者Bさんも、
その土地を売却する可能性がある」ことを教えていただきました。
隣接地は、北側と東側の道路に接道する角地であり、南側に高い建物も無く、
単独で売却しても、高値売却が見込まれる土地です。
一緒に売却することができれば、Aさんにとって売却条件が良くなります。


そこで隣接地所有者Bさんへ連絡したところ、
Aさんの土地と一緒に売却することで、条件が良くなれば、
一緒に売却してもよいとの回答を得ました。
ただし、Bさんの土地の売却は、
昔から付き合いのある不動産業者に依頼するということでした。


その不動産業者の担当者と協力して、高値で購入してくれる先を探した結果、
3階建の建物の販売を得意とする建売業者が、4,000万円(仮)で購入したい旨打診してくれました。
他の建売業者は、Aさんの土地とBさんの土地を併せて4棟の建売住宅の建設を
検討するところが多かったのですが、
この業者が6棟の建築を計画されたことが、土地の仕入れ価格の上昇につながりました。
Bさんの土地の価格も相場より高くなり、Bさんも喜んでくれました。


今回は非常に稀なケースかと思いますが、隣接地所有者へ
連絡しなければ、今回の事例のように話は進まなかったと思います。


今回のようなケースでなくても、土地を売却する際は、
まずは、隣接地の所有者にお話をされた方が良いと思います。

昔から「隣の土地は倍出しても買え」とか「隣の土地は借金してでも買え」
と言われるように、多少相場より高くても、購入してもらえる可能性があります。

また、他の方に土地を売却する際でも、隣接地との境界の確定が必要になり、
隣接地の方に立会をお願いすることになりますので、
「ご挨拶」の意味も含め、お話はしておいたほうがよいのではないでしょうか。


不動産に関すること、お気軽にお問い合わせください。
名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 http://www.meinan-re.com/

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