不動産コンサルタントのつぶやき

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地方創生

民泊で地方創生できないか!?

平成30年6月15日に住宅宿泊事業法(民泊法)が施行され、民泊が本格的に解禁されます。

外国人観光客が増え、宿泊施設が足りなくなってきている現状、
民泊がホテルなどの宿泊施設を補完する役割を担っていくかと思います。

しかし、民泊により私が期待しているのは地方創生です。

私は小さいころ、夏休みなど大型連休になると、
母方の実家である、石川県珠洲市へ遊びに行っていました。

石川県珠洲市は、能登半島の先端にあり、
金沢市から車で2時間半ほどかかる、まさに田舎です。

田舎の家は、都会から離れたところで、目の前には日本海が広がり、
家の裏には山、山の上には小学校があるようなのどかなところです。

母の兄弟の子供たちも遊びに来ていたので、
小さいころは、海で素潜りし、山へ虫取りに行ったりと、
子供たちで、田舎ならではの遊びに夢中になっていました。

大人になっても、田舎に遊びに行くと子供のころの記憶がよみがえります。
私にとっては、故郷とも言え、心身ともにリラックスできる場所です。

しかし、現在では、空家が散見され、町が寂れていっています。
小さいころには見なかった「売り家」などの看板がたっているものの、何年も売れていないような地域です。

母型の実家も、今住んでいる兄弟の代で、住む人がいなくなると思います。
しかし、住まなくてもたまには遊びに行きたいというのが個人的な考えです。

生活している人は少なくなっていますが、海や山など、自然が豊かで、都会にはない味わいがあります。
最近では、塩田や千枚田など、旅行客が増えてきている感覚はあります。

なので、旅館などより、簡易に宿泊先を提供できる民泊を提供し、
旅行客を増やすことができれば、雇用が生まれ、地方が創生されることを希望しています。
田舎の家は古民家が多く、畳で寝転んだりでき、外国人にも受けが良いかなと思っています。

さて、そんな田舎の家を残して、たまに遊びに行って、自然を味わいながらリラックスしたいのですが、
維持費用が必要です。親戚で共有するという手もありますが、不動産業をしていると、不動産の共有は相続などで揉めることが多く、共有という方法は、取るべきではないと思っています。

田舎の家や、町の雰囲気を残すためのキーワードは、民泊、不動産特定共同事業、ふるさと納税、クラウドファンディングなどかなと思っています。

個人で所有するのではなく、法人などで所有を考え、出資した人は、使用できるときは使用し、使用しないときは人に貸すなど、シェアリングサービスで、田舎の家や町を維持できないかと思っています。






不動産特定共同事業法の規制緩和

 一般に不動産投資は、元手として大きな資金が必要になり、上場株式のように容易に売買できるものではなく、また、管理にも手間がかかるとされています。こういった不動産投資のデメリットを解消するため、投資規模を小口化することにより、多様な投資家ニーズに対応すべく「不動産証券化」という手法が用いられています。

 不動産証券化は、様々な法令に基づき行われ、ポピュラーなものとしては、「投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)」に基づくJ-REITがあります。J-REITは上場株式と同じように証券口座を持っていれば容易に売買することができ、投資額が低いものでは数万円から投資することができます。一方、比較的古くから行われてきた手法で現物不動産をまさにそのまま小口化するという仕組みとして「不動産特定共同事業法」に基づく商品があります。

  「不動産特定共同事業法」に基づく商品は、不動産会社等の専門家が事業主体となって現物不動産取引により運用を行い、出資した投資家に収益の分配を行う仕組みです。昭和62年からこういった商品の供給が始まりましたが、バブル経済崩壊後、業者が倒産したことなどにより投資家に被害をもたらすケースが続出しました。このため、投資家保護を目的として平成7年に施行されたのが「不動産特定共同事業法(不特法)」です。

 不特法は、投資家が出資を行い、一定の許可要件を満たした事業者が不動産取引を営み、収益を投資家に分配する事業を規制することを目的としています。一定の許可要件として、資本金が1億円以上、宅地建物取引業者の免許、事業遂行に適格な財産的基礎と人的構成などといった基準が設けられています。

 資本金が1億円以上といった条件が求められているため、中小の事業者が不特法に基づく商品を供給することはなかなか難しく、現実に市場に供給されている商品としても、住友不動産の「サーフ」や東京建物の「インベスト・プラス」など大手不動産会社が供給する商品が主流となっています。

 他方、安倍内閣が掲げる「地方創生」や増え続ける空き家への対策にこの不動産特定共同事業の仕組みを使うことができないかということが議論されており、去る9月16日に国土交通省が設置した委員会における報告書として、不動産特定共同事業に関する制度のあり方について、以下の3つの方向性が示されました。

1. 小規模不動産特定共同事業に係る特例の創設
 ○空き家・空き店舗等の再生・活用事業に地域の不動産事業者等が幅広く参入できるよう、事業規模に一定の上限を設定した「小規模不動産特定共同事業」を創設。
 ○事業者の資本金要件等の許可要件を緩和し、新規参入を容易にするとともに、投資家保護にも配慮。

2. クラウドファンディングに対応した環境整備
 ○不動産特定共同事業において、投資型クラウドファンディングに対応するよう、インターネットを通じて事業を行うために必要な規定を整備。投資家に対する適切な情報の提供など一定の行為規制の整備。
 ○契約締結前書面等の電磁的記録による交付等に関する規定を整備。

3. 良質な不動産ストックの形成を推進するための規制の見直し
 ○成長分野への良質な不動産供給のため、不動産特定共同事業がより活用されるよう、一定の場合に約款規制の緩和など、規制の見直し。


 1. については、規模の小さい案件については資本金の要件を緩め、最低資本金を1000万円として地場の中小の不動産業者等でも参入しやすくします。 2.については、あらかじめ使い道を示して小口の資金を集めるクラウドファンディングの手法を使えるようにするとともに、ネット上でそういったやり取りを行えるようになります。

 J-REITの場合、投資効率などの観点から投資が首都圏を中心とした大都市圏に投資が集中する傾向があります。投資資金が流れ込む大都市圏では地価は上昇傾向にありますが、地方都市には投資資金が流れ込むことが少なく、地価も依然として下落傾向で推移している地域が多くあります。不動産特定共同事業という“仕組み”を整えることにより投資資金が流れ込む環境を整えれば、まちおこしのきっかけにもなりそうです。当然、収益性はシビアに判断する必要があるでしょうが、各地方には志ある不動産業者が存在することも事実です。こういった仕組みを使ったご当地?商品が全国各地で広がっていくことを期待したいと思います。

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