総務省が2月5日に発表した住民基本台帳に基づく2014年の人口移動報告(外国人を除く)によると、
東京圏への人口集中が一段と進んでおり、三大都市圏が有名無実化するのでは?と危惧しています。

人口移動報告によると、転入超過となったのは7都県であり、うち上位4つは東京圏が独占し、
中でも東京都の超過数は突出しています。
(転入超過となった上位7都県)
 ①東京都(73,280人)
 ②埼玉県(14,909人)
 ③神奈川県(12,855人)
 ④千葉県(8,364人)
 ⑤愛知県(6,190人)
 ⑥福岡県(3,900人)
 ⑦宮城県(2,437人)

東京圏以外の三大都市圏の中で転入超過となったのは、愛知県だけであり、大阪圏については、
全ての府県が転出超過となりました。三大都市圏の転入・転出状況は下記の通りです。
 東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県) 109,408人
 大阪圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県)  ▲11,722人
 名古屋圏(愛知県・岐阜県・三重県)         ▲803人

以上の結果がきっかけとなり、二つの疑念を抱くようになりました。
一つ目は、“三大”に対する疑念です。
転入超過の上位4つを東京圏が独占し、東京都に次ぐ人口を誇るのは神奈川県です。
個人的には、各種数値に基づいて都市ランキングをすると、東京都に次ぐ第二位の座は、
大阪府ではなく神奈川県になると考えており、立地を無視すれば、“三大”ではなく
“四大”になることは間違いないと思います。
また、規模のみに着目すれば、“一大”となり、首都圏だけで事が足りるのかもしれません。

二つ目は、“都市圏”に対する疑念です。
都市圏というのは、核となる都市及びその影響を受ける地域をひとまとめにした地域の集合体で
あるべきであり、人口についていえば、東京圏に様に、核となる都市の増加に伴い、その影響を
うける地域の人口も増加するのが、本来あるべき姿であると考えております。
名古屋圏については、岐阜県と三重県の転出超過の大きな要因の一つは、愛知県への転出で
あると思われます。
大阪圏については、核となる大阪府が転出超過となっておりますが、少なくても兵庫県、奈良県に
ついては、名古屋圏同様、大阪府への転出が転出超過の要因になっているような気がします。
今後、人口減少及び東京圏への一極集中が加速し、上記傾向が顕著になると、都市とは言えても
都市圏とは言えなくなるかもしれません。

名古屋で働くものとしては、三大都市圏という言葉が各種メディアから消えることがない様、
名古屋圏独自の存在感を保ち続けることを願っています。