不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

工事

アスベストが影響!?「解体更地渡し」の日程にゆとりを!!

建築から相当期間経過した建物が建っている土地については、契約から引渡しまでに建物を解体撤去する、「建物解体更地渡し」にて取引することが多くあります。

平均的な戸建住宅の解体撤去に係る工事期間については、おおよそ2週間前後で完了するものとして、売買契約から引渡しまでの日程を組むことが一般的です。

ところが、この日程について、少し余裕を持つことが必要になりました。
それは、「大気汚染防止法」が改正され、令和3年4月から施行となったことに影響されます。

この改正では、建物の解体工事等におけるアスベストの飛散を防止するため、対象の建物等に関する事前調査の結果報告が義務化され、アスベストの除去について隔離等を行わず作業をした場合の直接罰則が創設されました。

この法律におけるアスベストの事前調査は以下のとおり移行されていきます。
令和3年4月~ 建物解体工事等における事前調査が義務付けられました。
令和4年4月~ 一定規模(解体対象の建物の床面積80㎡以上など)の建物等について、アスベスト含有
       建材の有無にかかわらず、アスベストに関する事前調査結果を都道府県へ報告すること
       が義務付けられます。
令和5年10月~ 建築物石綿含有建材調査者など、必要な知識を有する者による事前調査の実施が義務
       付けられます。

上記のとおり、建物を解体する際にはアスベストの調査が義務付けられ、万が一対象建物にアスベストの使用が発見された場合には、アスベストが飛散しないように処置を施すことなどが必要になり、工事日程が延長することが考えられます。取引をスムーズに行う上では、建物建築時の図面を保管し、アスベストが利用されているかどうか早期に確認できるようにすることが必要です。また、売買契約書に記載する引渡日について、万が一アスベストが発見された場合のことも考え余裕を持つことも必要です。

不動産取引における埋蔵文化財

不動産取引において、埋蔵文化財は注意しなければならない要素の一つです。

建物を建てる工事中に土器等が出土した場合には、直ちに教育委員会への届出が必要になり、
調査のため一定期間工事を中止しなければならないこともあります。

教育委員会へ届出をしなかった場合は、行政罰、刑事罰の対象となります。

しかし、大体は埋蔵文化財が出土されることはありません。
注意しなければならないのは、周知の埋蔵文化財包蔵地内で工事をする場合です。

‟周知の埋蔵文化財包蔵地”とは、埋蔵文化財が埋設している可能性ある土地として、地域で認識されている地域をいい、教育委員会が遺跡分布図等を作成し、地域の指定をしています。

周知の埋蔵文化財包蔵地内で土地の掘削等を伴う工事(建物建築、建物撤去、外構工事、造成工事、埋め立て工事、地盤改良工事など)を行う場合、工事の種別や規模にかかわらず、工事着工予定日の60日前に届け出を提出しなければなりません。

また、工事においては教育委員会と事前協議が必要となりますし、場合によっては試掘調査が必要になります。試掘調査は教育委員会が実施します。

なお、工事の届出に対し教育委員会は、下記のとおり通知します。
①発掘調査の指示(個人が自宅を建てる場合を場合を除き費用負担必要)
②常時専門知識のある者の立会(費用負担必要)

③施工状況確認のための立会(費用負担なし)
④慎重工事(費用負担なし)

このように、近くに城や古墳があるなど、周知の埋蔵文化財包蔵地内で建物の建築を考えられている方は、計画通りに工事が進まないことや、予想外の費用負担をする可能性がありますので、注意が必要です。

詳しくは、名古屋市HPをご参照ください。
http://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/24-2-7-4-0-0-0-0-0-0.html




アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ