不動産コンサルタントのつぶやき

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愛知県

高潮浸水想定地域が愛知県より公表されました!

令和3年3月30日に愛知県より、高潮浸水想定区域図が公表されました。

公表された図をもとに今後、市町村において、高潮ハザードマップの作成が行われます。
宅地建物取引業者は作成されたハザードマップの内容について、重要事項説明書に記載し、取引の相手方に説明することが義務付けられています。

さて、高潮について、簡単なイメージをすることはできたのですが、詳しくは知りませんでした。愛知県が公表した資料を一通り読みましたので、以下でご説明します。

高潮とは、台風などの気象の乱れにより発生する潮位の上昇現象。台風や発達した低気圧が通過するとき、潮位が大きく上昇することがあり、この現象を「高潮」といいます。高潮の原因は大きく2つあり、①気圧低下による吸い上げ効果と②風による吹き寄せ効果です。

①気圧低下による吸い上げ効果・・・台風や低気圧の中心では気圧が周辺より低いため、気圧の高い周辺の空気は海水を押し下げ、中心付近の空気が海水を吸い上げるように作用する結果、海面が上昇すること。

②風による吹き寄せ効果・・・台風や低気圧に伴う強い風が沖から海岸に向かって吹くと、海水は海岸に吹き寄せられ、海岸付近の海面が上昇すること。この効果による潮位の上昇は風速の2乗に比例し、風速が2倍になれば海面上昇は4倍になります。

愛知県が公表した高潮浸水想定区域図には、日本に既往した最大級の台風である室戸台風級(
中心気圧910hpa、半径75㎞、速度73㎞。発生確率:500年~数千年に1度)が上陸し、想定し得る最大規模の高潮が発生した場合の被害について記載されています。なお、高潮浸水想定区域図は、1959年に発生した伊勢湾台風と同程度の台風による被害も想定されていますが、想定される被害は、室戸台風級>伊勢湾台風級とのことですので、いかに最悪の事態を想定しているのかが分かります。

高潮浸水想定区域は、津波災害警戒区域よりも被害を受ける地域が広大であるように思います。海から離れたところでも高潮の被害が想定されています。しかし、台風は発生したことや進路などを気象庁が発表しますので、被害が想定される場合、台風が上陸するまでに避難することは可能な気がします。

高潮浸水想定区域もそうですが、いろいろなハザードマップが公表されていますので、自宅がどのような地域に建っているのか、どのような災害が想定されるかなどを確認し、被災した場合のことなど、定期的に家族と話し合われてはいかがでしょうか。

不動産売買時、津波災害警戒区域の説明が必要になりました!!

愛知県において、津波警戒区域が7月30日に指定されます。

津波警戒区域は、最大クラスの津波が発生した場合に住民等の生命又は身体に危害が生ずる恐れがある区域で、津波による人的被害を防止することを目的として指定されるものです。

平成23年12月に、宅地建物取引業法施行規則が改正され、取引対象となる物件について、津波警戒区域内にあるときは、その旨を取引の相手方に重要事項として説明することが必要になっていましたが、愛知県では、今まで津波警戒区域が指定されていませんでしたので、「現在指定されている地域はありません。将来にわたって指定されないわけではありません。」として説明をしてきました。

しかし、今回、津波警戒区域が指定されることで、今後は、不動産を取引する際に、取引対象となる物件について、津波警戒区域内にあるのか否かを相手方へ説明することになります。

津波警戒区域は、愛知県のホームページで確認することができ、調べたい地域の地図上に、10m×10mのメッシュごとに、基準水位が表示されています。

基準水位とは、津波浸水想定で定める浸水の深さに、建築物等への衝突による津波の水位上昇を考慮して認められる値を加えて定める水位です。

実際に、基準水位が表示されている津波災害警戒区域の地図を見たときは、詳細に表示されており、最大クラスの津波が発生した場合は、「こんなところに、こんなに高い津波がくるのか」と、衝撃を受けました。

話は変わりますが、名古屋市では、なごや集約連携型まちづくりプランを作成し、都市機能や居住を誘導する範囲(都市機能誘導区域、居住誘導区域)や誘導する施設などを定め、鉄道駅周辺(拠点や駅そば)に必要な拠点施設の立地誘導や地域の状況に応じた居住の誘導をすすめています。

昨年6月より、都市機能誘導区域外または居住誘導区域外において、誘導施設や一定規模以上の住宅の開発・建築等行為を行おうとする際には、市への届出が必要となりました。

昨今、人口減少により、都市機能を持続するために、コンパクトシティがうたわれていますが、このように、津波災害警戒区域の指定や、名古屋集約連携型まちづくりプランの制定などにより、間接的にコンパクトシティ化が進められているのではないかと感じています。
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