あたり前のことですが、重要事項説明書、売買契約書へは、
内容をよく理解したうえで、署名・押印をすることが必要です。

先日、中古マンションの売買契約を済ませたAさんより以下の相談を受けました。

Aさんは、不動産業者Bの所有する中古マンションを不動産仲介業者Cより紹介されました。
Aさんは、物件自体は気に入ったものの、敷地内の駐車場に空きがないため、
すぐには、売買契約を締結することはありませんでした。

駐車場の件について、AさんはCに相談したところ、
「売買契約を締結していただければ、管理会社、管理組合に相談して、駐車場を1台用意します。」
との話があったため、Aさんは、Cの言葉を信じて、重要事項説明書・売買契約書等へ署名・押印をしました。

売買契約締結後、Cより駐車場の件について何も連絡がないため、
AさんはCへ連絡するも、Cはあれこれ理由をつけて取り合ってくれませんでした。

決済日が直前に迫ったある日、駐車場の件について、のらりくらりと質問をかわすCに対し、
堪忍袋の緒が切れたAさんは「駐車場の空きがないなら契約は白紙解除させてもらう」とCに詰め寄りましたが、
Cからは、以下の発言が返ってきました。
・駐車場は、用意できるように頑張るといっただけで、必ず用意するとは言っていない。
・売主が引渡しに関する書類を用意した(履行に着手している)ので、
 手付けによる解除はできず、違約解除となり違約金が発生する。
・売買契約が締結されているため、仲介手数料を請求させていただく。


上記内容を見る限り、不動産仲介業者Cに責任があると思われますが、
駐車場の空きなしと記載された重要事項説明書しか証明するものが残っていませんので、
不動産仲介業者Cに責任追及することが難しい状況です。

このように、「言った、言わない」ということがトラブルの発生するもとです。
重要事項説明書・売買契約書等は、記載されている内容をよく理解するだけでなく、
後から条件等が追加された場合には、契約書や覚書等の書面に残すなどしたうえで、
署名・押印することが必要です。