先日、車に乗って物件調査を行っていました。お昼時になり、ちょうど通りかかったところに人気のラーメン店があったので入ってみることにしました。人気店にしては並んでいる人もいなかったのでラッキーと思い食券を買って後ろを振り返ると数名の待ち客が座っていました。店の入り口からは見えないところに待ち客用の椅子が置いてあったので待ち客がいることが分からなかったのです。私は飲食店の行列には基本的に並ばない主義なのですが、食券を買ってしまったのでお店を出るわけにもいかず椅子に座りしばらく待つことにしました。

こういった場合、無意識のうちに胸ポケットのスマートフォンを取り出して画面を覗いてしまうのですが、肝心のスマートフォンを車に置いてきたことに気付きました。並んで座っている手前、車に取りに行くことも憚られたため、そのまま待つことにしました。

そうなると手持ち無沙汰感が半端ありません。図らずも自身が普段いかにスマートフォンに依存しているかを再認識することになりました。スマホゲームの類は全く興味がなくアプリをダウンロードすらしたことがありませんし、LINEを頻繁にやり取りする相手もいるわけではないのですが、それでもネットニュースを見たり、Kindleのアプリで電子書籍を読んだり、気になったことをネットで調べたりと日常生活の中でそれなりの時間をスマートフォンに捧げているのだな、ということにあらためて気づきました。

そうはいっても手持ち無沙汰は手持ち無沙汰です。どうしようかと思いましたが、店内の様子を観察してみることにしました。店員が何人いて、それぞれがどういった役割でどのような動きをしているか、券売機のメニューはどうなっているか、席の数はいくつあるのか、等々いろいろ観察すべき点があることに気づきました。そこから、客単価はいくらくらいでお昼どきには何回転して、売り上げはこれくらいなのではないか、など想像を巡らせました。

そうこうしているうちに先客が席を立ち、自分が席に案内されました。普段であればあまりお行儀がよろしくないな、と思いつつ、食べながらKindleの電子書籍を読むことが多いのですが、この日は美味しいラーメンの味に集中していただくことができました。

仕事柄、普段街中を歩く時、あそこの建物が取り壊しになった、とか、あそこの更地にホテルの建築計画がある、など街の様子を注意深く観察するようにしているつもりなのですが、電車の中や一人でのランチ時の飲食店ではスマートフォンの画面を眺めていることが多く、観察眼を養うことをしていなかったな、と少し反省した次第です。

いつも無意識にスマートフォンの画面を眺めてばかりいるのではなく、時には意識的に周囲の状況に目を向けることも必要ではないかと感じました。