不動産コンサルタントのつぶやき

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駐車場

分譲マンション、無料駐車場を廃止した方が収益力は上がる!?

私は分譲マンションの理事長をしており、マンションの資産価値をあげるために日々知恵を絞っています。

さて、今年度は無料駐車場の有料化にチャレンジしています。多くのマンションも同じだと思いますが、駐車場使用料は日々の管理費用として利用されて余剰金を修繕費口へ貯蓄している構造になります。

多くのマンションと同じで、私のマンションも将来の修繕費用が足りなくなるため定期的に修繕積立金の引き上げが必要だと管理会社より言われていますが、今年度は修繕積立金を調整の上、無料駐車場を廃止し駐車場使用料を引き上げることが必要だと、説明会を実施するなど住民の方へ訴え続け、6月の総会で決議していただくことになりました。

私のマンションでは、分譲時に無料駐車場に惹かれて購入を決めたという方もいらっしゃいましたが、無料であるがゆえに、自家用車を手放した場合でも駐車場が返却されないため、他の方へ貸し出すことができません。返却していただき他の住民の方へ2台目の駐車場として貸出しすることができれば管理組合の収入は増えるはずです。

マンションの土地は建物と一緒で、住民全員で部屋の面積の割合で共有しており、税金を負担している資産なので、空いている駐車場を希望者に貸し出して収益を上げるなどの資産活用は重要なことだと考えています。

さて、修繕積立金を引き上げるのも、駐車場使用料を引き上げるのも、どちらも修繕積立金を積み立てることに変わりはありません。また、将来駐車場を手放す場合は、駐車場使用料(間接的に管理費・修繕積立金になる)の負担が減ります。返却された駐車場は他の住民の方が利用し、管理組合としての収入は減らない構造にしています。本制度は一石三鳥だと考えていますが、なかなかお金の流れは理解されず、説明会終了後のアンケートでは3割の方が反対されました。「無料」というのを覆すのも大変だと感じています。

制度改定前        制度改定後
修繕積立金  10,000円  修繕積立金     6,000円
駐車場使用料     0円  駐車場使用料    4,000円
合   計  10,000円   合   計    10,000円
※返却された駐車場は、月額5,000円とし他の住民の方へ貸し出す構造です。

さて、6月の総会では住民の皆様はどのような判断をされるのか。不安もありますが楽しみにしています。

駐車場は、1住戸に1台必要なくなる!?

 マンションの駐車場問題など、乗用車を所有する世帯が減少した場合の影響について、当ブログで記事にしてきましたが、実際に乗用車を所有する世帯がどれぐらい減っているのか気になり、調べたところ、興味ある統計がありましたのでブログの題材としました。

 興味ある統計は、一般財団法人 自動車検査登録情報協会が平成29年8月15日に公表した”自家用乗用車(登録車と軽自動車)の世帯当たりの普及台数”です。

 この統計を見ると、世帯当たりの時価乗用車の普及台数は、昭和51年に0.505台と初めて0.5台を超えて2世帯に1台となり、平成8年には1.000台と1世帯に1台の時代になり、自家乗用車が普及してきた歴史がわかります。過去最高の普及率は、平成18年の1.112台です。しかし、それ以後の普及率は、前年より増える年もありますが、全体を眺めると徐々に減っています。平成29年3月末日時点は、1.062台です。

 世帯当たりの自家乗用車の普及率は、地域によって異なり、高く維持されている地域もありますが、10年前である平成19年の統計に比べ、一部の地域を除いて、減少傾向にあります。()は平成19年の普及率

 普及率上位
 ①福井県 1.749台(1.766台)
 ②富山県 1.702台(1.734台)
 ③山形県 1.680台(1.659台)
 ④群馬県 1.643台(1.695台)
 ⑤栃木県 1.619台(1.653台)

 普及率下位
 ①東京都   0.445台(0.521台)
 ②大阪府   0.651台(0.719台)
 ③神奈川県 0.720台(0.801台)
 ④京都府  0.827台(0.912台)
 ⑤兵庫県  0.916台(0.966台)

 平成19年対比の普及率は、福井県99.0%、東京都85.4%と、普及率が高い地域は、あまり減っていない印象があるものの、普及率が低い地域は、徐々に低下してきている傾向が見て取れます。

 私の住んでいる愛知県は、平成29年1.283台、平成19年1.370台となっています。平成19年対比は93.6%でした。トヨタ自動車のおひざもとであり、近所の方も自家乗用車を所有されている方も多くいますので、もう少し普及率が高いのかなと思っていましたし、10年前に比べて減少しているのにも驚きました。

 自家乗用車は生活の必需品と思っていましたが、交通手段の選択肢が多くなったことや、カーシェアリングなど、新しい移動手段が誕生していることが、普及率の低下に繋がっているのではないかと感じています。

 最近、名古屋の都心で分譲されるマンションは、駐車場が1住戸に1台分設置されていないことは当たり前になってきました。また、戸建て住宅でも、駐車スペース1台のものが分譲され売れています。人口減少や、高齢化が急速に進むことが予想されていますので、自家乗用車を利用しない世帯が今後も増えることが予想されます。分譲マンションであれば、空き駐車場ができた場合を想定しておくなど、早めに対策を打ちたいものです。

マンションでも、遊休不動産は活用しないと

 以前にも、私の住んでいる分譲マンションの駐車場の現状について、本ブログで執筆したことがありますが、最近ますます現状を打開できないかと思っています。

 それは、駐車場使用料月額0円の現状です。マンションはファミリー世帯が多く、2台の車を所有する世帯も多いのですが、敷地内の駐車場には、空いているスペースが数区画あります。マンションの管理組合としては、空いているスペースを上手く活用して、修繕積立金などに充当していきたいところです。

 なぜかと言うと、現状の修繕積立金では、将来の修繕費が賄いきれない、将来的に修繕積立金の値上げは必要と、管理会社より指摘を受けているからです。
 
 駐車場使用料月額0円ですので、車を所有しない方も駐車場を解約しません。駐車場を解約しても、車を所有するなど、駐車場が必要となったときは、いつでも駐車場1台のスペースを確保できるようになっているにも関わらずです。車を持っていない方でも、来客用として駐車場を確保しているのでしょう。

 私の考えでは、有料にすることで、将来の世帯あたりの修繕積立金の値上げする額が減ったり、車を所有しない世帯の、駐車場区画を、他の世帯に使用してもらうことで、管理組合として、修繕積立金に充当できる額が増えるなど、‟遊休不動産の活用”ができるのではないかと感じています。

 先回のブログでは、シェアリング・エコノミーを利用した不動産活用をテーマに「駐車場シェアリングサービスの拡大」を執筆しましたが、遊休不動産は活用した方がよいという判断は、世間に広がっているように思います。

 遊休不動産を活用する流れは、行政にも広がっているようです。本日、名古屋市上下水道局のHPを見ていると面白いページを発見しました。名古屋市上下水道局が、遊休不動産を貸出しているのです。

 昨今では、空家対策などで、行政が関与していくことが多くなってきてはいましたが、遊休不動産を活用しようという流れは本格的に広がりつつあると感じました。

 不動産業をしていると、不動産は活用することにより価値は増すものと考えていますので、シェアリングサービスなどで、世の中に、不動産は活用しなければならないという意識が浸透し、マンションの管理組合で、空き駐車場を活用するなど、管理組合の修繕積立金が貯まるように、建設的な議論ができればいいなと思っています。

 

 

 

マンションの駐車場 ~0 円~ はお得なのか?

私が5年前に購入したマンション。当時の売り文句は「駐車場0円」というものでした。
駐車場0円について、マンション購入当時は、月々の出費が抑えられ、助かるな思っていましたが、
管理組合の理事長となった今、その考えは変わりました。

私が考える問題は、本来貯まるはずの修繕積立金が貯まらないことと、
空き駐車場が増え、駐車場が活用されなくなるという問題です。
管理会社より、月々支払う修繕積立金を増額しないと、
将来の修繕費用が足りなくなると言われていますので、
早い段階で、このミスマッチを解消したいところです。

さて、駐車場を使用する人にとって、駐車場使用料を負担と考えるのはあたりまえのことです。
しかし、駐車場使用料は、第三者の利益になるのではなく、駐車場運営のために利用され、
余った部分は、マンションの修繕積立金として蓄えられます。
駐車場使用料は、支払った人に間接的に還元されるのです。

現在私のマンションでは、屋根がついている等一部有料区画もありますが、
ほとんどの区画が、駐車場使用料0円です。

私のマンションは、駐車場を解約しても、再度車を所有するなどした場合、
いつでも、1区画の駐車場を契約できる権利が保証されています。
にもかかわらず、駐車場使用料が0円のため、車を持たない居住者でも、駐車場を解約しません。

ですので、自分自身の負担も増えますが、駐車場を有料にすることが必要だと感じています。
駐車場を有料とすれば、マンションの収入が増えるため、
将来の修繕積立金の値上げを抑えることができると思っています。

また、車を持たない居住者にとっては負担が増すため、駐車場は解約されると思います。
私のマンションでは、車を2台所有されて、敷地外に駐車場を契約している方も多くいらっしゃいます。
敷地内に車を駐車できることを考えれば、その方たちにもメリットは大きいかと思います。

修繕積立金を支払うのも、駐車場使用料を支払うのも、将来の修繕費用を貯めるという意味で同じです。
修繕積立金の値上げを考えるくらいなら、駐車場使用料0円を改善したいと思っています。

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