10月12日19時前に静岡県伊豆半島に上陸した台風19号は関東甲信越地方を中心に甚大な被害をもたらしました。各地で浸水被害が相次ぎ、特に千曲川が決壊した長野市では、JR東日本の長野新幹線車両センターが水没し、新幹線車両10編成が水に浸かってしまいました。

 長野市のハザードマップを見てみると、この車両センターは千曲川と浅川という河川に挟まれた地形的に低い場所にあり、洪水による浸水が最も想定される場所に立地しているようです。そもそも平地が少ない善光寺平(長野盆地)にあって広大な平坦地を確保できる場所が限定されるが故、洪水が頻発するような場所に車両基地を設けなければならなかったものと推察されますが、新幹線車両が水没する映像は衝撃的なものでありました。


 水没した車両はJR東日本所属のE7系が8編成、JR西日本所属のW7系が2編成の計10編成で、これは北陸新幹線で運用される全車両のうち約3分の1にあたるとのことです。新幹線車両の場合、床下に動力・制御機器があり、エレクトロニクス技術の結晶のような高度な電子機器が搭載されていることから水没した車両が果たして復活できるのかは不明ですが、仮に廃車となった場合、1編成30億円以上の新幹線車両が10編成で300億円以上の損失ですし、北陸新幹線が長期間運休し、首都圏と北陸方面の旅客流動が阻害されることによる経済損失はさらに大きなものとなるかもしれず心配が募ります。


 最後になりますが、今回の台風で被害を受けられた皆様にお見舞いを申し上げるとともに一日も早く復旧・復興がなされることをお祈り申し上げます。


参考URL:長野市洪水ハザードマップ(古里・柳原・浅川・朝陽・若槻・長沼・豊野地区周辺)